食事療法としてのローフードを学んで

食事療法としてのローフードを学んで

米国名門ローフード学校2校を卒業。調理法だけでなく、自然療法医による病気と関係する栄養学も学んできました。ローフードの食事法は、もともとがんを改善させるために考案された食事療法です。糖尿病、高血圧、認知症、アレルギーにも高い効果が認めらています。


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米国アリゾナ州パタゴニアにある、ガブリエル・カズンズ医師が運営する「ツリー・オブ・ライフ・センター」は、私の卒業した「ヒポクラテス・ヘルス・インスティテュート」(以下HHI)とほぼ同じリビングフード(ローフード)の食事療法を実践している施設として有名です。彼の行っている「3週間の糖尿病改善プログラム」に参加した120名は驚くべき改善を見せています(201312月に発表)。


インスリン非依存性2型糖尿病の61%、インスリン依存性2型糖尿病の24%、確実に1型糖尿病と診断された患者の21%が完治しました。また、1型糖尿病患者の31.4%は、インスリンも含め、すべての断薬に成功。改善したという定義は、空腹時血糖値が99以下であり、血糖降下薬やインスリンが必要なくなったことを意味しています。



この3週間のプログラムで、インスリン依存性2型糖尿病の86.4%、インスリン非依存性2型糖尿病患者の100%がすべての処方薬が必要なくなりました。要約すると、「97%2型糖尿病患者が3週間以内に完全に断薬できた」ということです。総合的に2型糖尿病が完治したといえるまで改善した患者は、全体の39%でした。

1型糖尿病患者に関しては、インスリン投与が必要な残りの68.6%は、平均でインスリン使用量を67.5%減らすことができています。


ガブリエル・カズンズ医師(Dr. Gabriel Cousens)は、アン・ウィグモアやビクトラス・クルビンスカスの考案したリビング・フード(ローフード)の食事療法の影響を強く受けています。彼の製作した糖尿病を改善させるためのドキュメンタリー映画「Simply Raw」をみる限り、HHIの食事とほぼ同じと言っていいでしょう。



映画「Simply Raw- YouTubeより

https://www.youtube.com/watch?v=2pjkC71exKU



糖尿病|食事療法|ガブリエル・カズンズ医師

この写真を見れば分かるように、HHIの責任者ブライアン・クレメント医師、その創設者ビクトラス・クルビンスカスと「ツリー・オブ・ライフ・センター」のガブリエル・カズンズ医師は、お互い深くつながっており、今でも良い影響を与え合っています。

私の教室「ヒーリング・ローフード教室ナチュロパス」では、アン・ウィグモア、ビクトラス・クルビンスカス考案のリビングフードの食事療法を教えています。がんを改善させるための食事療法として考案されたものですが、カブリエル・カズンズ医師の3週間プログラムの結果をみれば分かるように、糖尿病にも大きな効果が出ています。



続けるのは、最初は大変に感じるかもしれませんが、将来の合併症のことを考えると、今のうちに手を打っておくのが賢明です。

講座の中で、米国自然療法医から学んだ病気の原因や酵素栄養学なども詳しく説明するため、なぜリビングフードの食事が必要なのかご理解いただけると思います。


日本では米国と同じようなオーガニック(有機栽培)の野菜・果物、ナッツ類が十分に普及していないのが現状ですが、それを十分に補うことができる素晴らしい食材があるのでご心配なく。次の日から急に100%の生菜食は無理があると思いますので、少しずつ悪い食事内容を変えて行きましょう。


Tree of Life Center : Dr. Gabriel Cousens

https://treeoflifecenterus.com/the-medicine-for-healing-diabetes/


Hippocrates Health Institute : Dr. Brian Clement, Viktoras Kulvinskas

http://hippocratesinst.org/

【世界中で薬として使われるニンニク】

紀元前1500年のエジプトの医学書「The Codex Ebers」には、胃腸病、寄生虫、血流病、蛇毒、リューマチ、痔、潰瘍、頭痛など22種類の病気の処方薬として使われたと記されている。また、ピラミッド建設のための奴隷の病気予防やスタミナ強化に使われていたとされています。

医聖といわれるギリシャのヒポクラテス(460~370BC)も、肺疾患、痛み止め、洗浄剤・下剤として推奨。


薬理学と薬草学の父と言われるペダニウス・ディオスコリデス(40~90AD)は、動脈を浄化するためにニンニクを処方し、彼の著書「薬物誌」(Materia Medica)の中で、ニンニクには粘液を抑えて咳を軽くする作用、寄生虫を追い出す作用、蛇や犬などの噛み傷の消毒、潰瘍の改善、そして、ハンセン病や歯痛などにも効果があるとしています。


アメリカン・インディアンは、壊血病、鼓腸、耳痛に使用。

旧ソビエト連邦(現ロシア)ではロシアのペニシリンRussian Penicillin)とも言われ、第一次世界大戦中のヨーロッパでは、赤痢患者や傷口の殺菌・消毒に使用されていた。


1858年、ルイ・パスツールは、最初にニンニクの有効性を科学的に証明した研究者です。バクテリアでいっぱいのシャーレー皿の中にニンニクの欠片を入れると、バクテリアはすぐさま死んでしまうことを発見しました。Dr. Byron Murrayは、ニンニクの中に含まれるアリシンが、30分間で皿の中の90%のバクテリアを破壊することを確認。ニュージャージー医大の研究では、ニンニクを食べて30分後の被験者の血中でも、シャーレー皿の実験と同じような大きな抗バクテリア効果があったことが証明されています。


1990年、米国国立がん研究所(NCI)が2000万ドルをかけてガンを予防するためのファイトケミカル600種を特定し、それらが特に多く含まれる野菜・果物40種をピラミッド状で3ランクに分類。その頂点に位置するのが、ニンニクでした。


現代の科学的研究でも、その抗バクテリア、抗ウイルス、抗真菌作用が認められています。


【ニンニクを使った疫学調査と研究】

胃がんの多い地域に住む5000人を対象にした中国の研究では、毎日200mgの合成allitridum3000年以上使われているニンニクから抽出された中国の薬)と2日おきに100マイクログラムのセレニウムが与えられたグループとプラシーボ・グループ(効果のない薬を処方)に分けられて5年後に統計を出した。グループは、グループよりも、33%すべての潰瘍ができにくく、胃がんにかかるリスクが52%も減少した。

Li H, Li HQ, Wang Y, et al. An intervention study to prevent gastric cancer by micro-selenium and large dose of allitridum. Chinese Medical Journal (English) 2004; 117(8):1155–1160.


Dr. Tarig AbdullahAkbar Clinic and Research Center, Florida)の研究では、27人の被験者に3週間、毎日1房(12-15個)のニンニクを食べてもらった。ニンニクを食べているグループは、食べていないグループと比べ、ナチュラルキラー細胞が2.4~2.6倍リンパ腫細胞を破壊していた。


胃腫瘍とニンニクの関係を調査した中国の研究では、ニンニクを毎日平均4つ食べる倉山地区の住民に比べ、ニンニクをほとんど食べない栖霞(せいか)地区の住民の胃腫瘍ができる割合は、10万人中、340だった。



ワシントン州立大学の研究では、ニンニクに含まれる成分は、抗生物質の100倍効果があるとしています。



人や動物を使った多くの研究で、ニンニク(特に生)がコレステロール値を下げるのに有効だということが分かっています。


ニンニクに含まれるアリシンには、風邪や気管支炎の原因になる連鎖球菌やブドウ状球菌などを殺す強い殺菌力があり、胃潰瘍を引き起こすピロリ菌やO-157にも効果が認められています。


このように、ニンニクには殺菌、スタミナ強化、腫瘍抑制、血栓溶解、肝臓解毒、抗炎症作用、感染症予防、コレステロール値の安定、食中毒の緩和など数多くあり、その健康効果は「食べる薬」と言っても良さそうです。抗菌効果に関しては特に素晴らしく、23種類のバクテリア、カンジダ菌・サルモネラ菌も含め60種類の菌類に有効とされています。

その有効成分アリシンは、生のほうがより多く摂ることができます。


【有効成分アリシン】

ニンニクに含まれるアリインが、刻んだり潰したりすることで酵素アリイナーゼに反応し、揮発性油性成分アリシンが生成されます。皮のついた球根状のときに強い匂いがしないのはこのためです。

酵素アリイナーゼは熱に弱いのですが、アリシンになると加熱に比較的強くなります。加熱する前の生の状態のときに刻んだり潰したりして10分間ほど放置することで、酵素の反応が進みアリシンが生成されます。

その後、加熱調理すれば、丸ごと加熱したときよりもアリシンが比較的多く摂れるということです。


ニンニクを丸ごと加熱した場合、酵素アリイナーゼは失われ、アリインとして体内に摂り入れることになりますが、腸の中でなんらか(おそらく腸内細菌の働き)の化学反応を起こしアリシンをある程度生成することができます。しかし、効率的にニンニクの有効成分を働かせるには、やはり生で摂ったほうが良いでしょう。


【ニンニクを食べるときの注意】

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生のニンニクはとても刺激が強いので、食べる量には注意が必要です。強力な抗菌作用のため、食べ過ぎは腸内細菌にも悪影響を及ぼしてしまいます。生の場合、11~2個、加熱の場合でも2~3個程度が適量だと思います。もちろん個人差がありますので、少量から始めるのがベストです。


今からの季節(夏)でしたら、スイカの皮やキュウリなどとジュースにして飲むのがお勧めです。口臭が気になる方は、葉緑素の多い葉野菜も混ぜると、10~20分以内にニンニクによる口臭を70~80%抑えてくれるという研究結果も出ています。気になる方は夜に食べたほうがいいかもしれません。(元気になりすぎて眠れなくなるかもですが

生でも加熱でも良いので、自分に合った適量をみつけ、健康的な食生活に加え、ぜひ免疫力を高めてください


Sprouts the miracle food – Steve Meyerowitz

Garlic and Medicine : http://greyduckgarlic.com/Garlic_and_Medicine.html

National Cancer Institute : http://www.cancer.gov/about-cancer/causes-prevention/risk/diet/garlic-fact-sheet

Allicin Bioavailability from Alliinase-Inhibited Garlic : https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/abstract/10.1055/s-2009-1216533

葉緑素の脱臭作用(森下敬一、堀田兼雄)「葉緑素の医学」(生命科学協会刊)


久しぶりにロー・チョコを作ってみました



ロー・チョコ


使用した材料はこちら。


●カカオ・ペースト:100g
●カカオ・バター:80g
●メープルシロップ:20g
●塩:少々
●バニラ・エクストラクト:小さじ1/4
●ステビア:1


今回は、マシュー・ケニーのロー・チョコレートの本を参考にしています。

※参考にしていますが、レシピ通りに作っているのではありません。





カカオ・ペーストは、カカオ・パウダーとカカオ・バターに分離(加工)する前のものなので、よく馴染んでいて口溶けが滑らかです。




【ローチョコの作り方】


カカオ・ペースト100gとカカオ・バター80gを刻み、ステンレスのボウルに入れ、ディハイドレーター(乾燥機)で溶かします。

湯煎でのテンパリングは温度が上昇しすぎることがあるため、乾燥機を使用したほうが、より安全に、そして簡単にテンパリングができます。










温度は115 ºF46.1℃)で、温める時間は約1時間です。


このとき、30分を過ぎたころから、全体が溶けるようにときどき混ぜ合わせていきます。1時間後、均一にぜんぶ溶けたら乾燥機から取り出し、残りの具材(メープルシロップ、塩、バニラ・エクストラクト、ステビア)を加え、よく混ぜ合わせてください。

更に全体が均一になるまでかき混ぜながら、温度を26.1-27.2℃79-81 ºF)まで下げます。このとき、タイプ(※下の「テンパリングについて」の表を参照)の結晶が生成されます。少しチョコが固まり出す(とろみが強くなる)ときが目安です。




次に、乾燥機の温度を88 ºF31.1℃)に調整し、再びチョコを温め直します。ときどきかき混ぜながら10-30分ほど④タイプの結晶を溶かし⑤タイプの結晶を優先的に育てます。乾燥機から取り出し、均一にかき混ぜ温度を測ります。




温度は31.5℃。テストしてみて、キレイに固まれば、チョコ型に流し込んでください。




あとは、冷蔵庫で冷やすだけで完成




色むらもなく、食感もなめらかです。

なかなか美味しくできました


「ロー・チョコ」はグルメ・ローフードです。甘味料を使うため、病気を改善させるような効果はありません。


さらに詳しく学ばれたい方は、福岡にある教室のほうまでお越し下さい。

「ヒーリング・ローフード教室ナチュロパス」-「グルメ・ローフード料理教室」

講師 : 末松 良介 : 米国リビングライト、グルメ・ローフード・シェフ、アドバンス・ペイストリー・クラス修了


【テンパリングについて】


テンパリングする目的

色むらを無くす(艶)
●食感がよくなる
●崩れにくくする
●保存期間が延びる
●酵素が活きている(ロー・チョコ)
●高温によるその他の栄養素の変質が起こらない(ロー・チョコ)


チョコレートを作る過程で、カカオに含まれる脂肪分がその温度によって以下の約6種類の結晶を作り出します。


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一般のチョコレートは、50前後まで温めてすべての脂肪分を溶かしますが、ローチョコの場合は43-46(酵素:48度以下)を目安にします。ときどきかき混ぜながら、キレイに均一に溶けたことを確かめ、温度を26-28℃まで下げます。このとき、④と⑤タイプの結晶が形成されます。その後、再び温度を31-32℃に上げ、その温度を保つことで④タイプの結晶を壊し、⑤タイプの結晶が優先的に形成されます。⑤タイプの安定した結晶構造を多く作ることで、他の結晶ができにくくなるということだと思います。こうして、艶があり、なめらかで、日持ちする美味しいチョコレートができていきます。


【型に流し込む前にテストをする】

テンパリングが終わったら、まずはテストが必要です。⑤タイプの結晶がちゃんとできているか、甘味料がよく馴染んでいるかチェックしましょう。

艶があり、キレイに固まっていれば大丈夫です。



下のようにキレイな艶がでていれば成功☆



写真右が良い例です。


参考資料:

●Raw Chocolate: Matthew Kenny and Meredith Baird

Alex' blog

Chocolate-Wikipedia