8月27日、土曜日


「花火の写真、撮ってみるか?」


この一言から僕は休日返上で出社した。

僕はそもそもしっかり花火というものを見た事がない。

真夏のレース後に打ち上がる花火を遠目に見るくらいだ。

花火自体に興味を持てず断ろうかと思った。

だが、

「不動産会社がこれから売りに出すマンションの屋上から撮影できるからよく見れると思うぞ」

「よかろう」即答。

僕は先生の横で撮影をさせてもらえることになった。

背景には、あくまでこの物件からだとこんな花火が見えますよー的な意味合いで撮影するわけで、そこまで重要なカットじゃないから君も撮れば?的要素があった。


14:30 浅草着


僕は人の多さはある程度覚悟できていたし、慣れてもいた。

だけど、何なんすか、これ...。

目の前には地獄絵図が広がっていた。


着物着た女の子と男。つまり、俗にいう、カップルという類いか。

そのカップルとやらが浅草駅周辺に、うじゃうじゃ生息していた。

僕はガクガク震える足を何とか落ち着かせて目的地であるマンションに向かった。

15;00に到着し、クライアントさんと軽く打ち合わせて、下見をして、一時解散。


19時からの撮影まで時間があるので僕と先生は酒を片手にぶらぶらと散歩をした。


人の多さもさることながら壮絶な場所取りに驚いた。

名前は分からないけど公園にブルーシートが張り巡らされ、階段の窮屈な場所にも人で埋まっていた。
(そういや京都の円山公園もこんな感じだったか)
また、球場?みたいなところで見物する為に整理券を持って並ぶ人。

一番度肝を抜かれたのがある車道の片側にテープでバミった光景が広がっていること。


みんな誰と戦ってるんだろう...。

後で聞いた話では隅田川の花火大会は日本一の花火大会だということ。

先生は花火大会が終わったら吉原に行ってお姉さんと遊ぶこと。

先生の好みの女の子は外人っぽい日本人だということ(ハーフということではない)

そんな数々の戦い、思惑の中、僕の戦いが始まる。

19:00

撮影開始!






ハイパーアシスタントの憂鬱

ハイパーアシスタントの憂鬱

ハイパーアシスタントの憂鬱

マンションの屋上から撮影した写真