『星の王子さま』とバラ | 途上

途上

わからないまま、生きてゆく。

 

 

 

 

 

昨年、育て始めたバラの3つの鉢。

きれいな花を次々と咲かせてくれました。

 

 

育てかたもよくわからないままに

花が終わったあと

ばっさりとカットしました。

 

切り過ぎてしまったかなぁ・・。

寒いあいだ、だいじょうぶかなぁって思っていました。

 

春まだ浅い頃、1つの鉢は地植えしました。

 

 

その3つのバラの株。

このところ、日に日に、葉を繁らせてきました。

 

 

すでに育てていた蔓性のミニバラもそうですが

バラって、案外、丈夫なんですね。

初心者には手に負えないイメージでした。

(育て易い品種を選んではいます)

 

そんなバラを眺めながら

バラって、か弱い植物?

それとも

案外、しぶとくて丈夫な植物?

そう自問しています。

 

そして『星の王子さま』に出てくる

バラのエピソードを思い浮かべたりしています。

 

 

 

サンテグジュペリの『星の王子さま』に登場する

1輪のバラ。

王子さまの星にいる、たった1つのバラです。

 

 

このバラ、気取りやさん。

高慢で、気難しくて、強がりで、可愛げがない。

 

でも王子さまは、自分の星に1輪しかないこのバラに対して

かいがいしく世話をし、話し相手になり、守ろうとします。

 

風よけや獣よけのために

ガラスの覆いをつくり、衝立を設え

やってくる毛虫を殺し

不平や泣き言、自慢話に耳を傾けます。

 

 

 

 

或る時

自分の星を離れて、地球という星にやって来た王子さまは

ある家の庭に、たくさんの花が咲いているのを目にします。

 

 

この世で、たった1つの「ぼくの花」だと思っていた

あの花にそっくりなたくさんの赤い花。

実は、「バラ」という名前があることも。

 

その事実を目の当たりにして、王子さまは落胆します。

 

 

でも、キツネとの対話を通じて、たいせつなことに気づきます。

 

apprivoiser(アプリヴォワゼ・飼いならす、の意)という言葉。

 (飼いならす、というのは、聞こえが悪いですが)

要は「仲良くなる」ということだと、王子さまにキツネは伝えます。

 

「あんたが、あんたのバラの花をとても大切に思ってるのはね、

 そのバラの 花のために、ひまつぶししたからだよ」

 

「人間っていうものは、この大切なことを忘れてるんだよ。

 だけど、あんたは、このことを忘れち ゃいけない。

 めんどうみたあいてには、いつまでも責任があるんだ。

 守らなきゃならないんだよ、 バラの花との約束をね・・・・」

 

 

 

仲良くなる。

それは、言い換えるならば

時間をかけてできた絆。

かけがえのない存在。

 

 

最後にキツネはこう言います。

とても有名なくだりです。

 

「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

 かんじんな ことは、目に見えないんだよ」

 

かんじんなことは、目には見えない」、と

 王子さまは、忘れないようにくりかえしました。

 

 

王子さまに倣って

わたしも繰り返しましょう。