内と外 | 途上

途上

わからないまま、生きてゆく。

 

 

 

 

内。

 

病院の内。

院内の壁に、こんな詩のパネル。

 (画像の下に、書き起こしています)

 

ぼくの 胸の中に いま 入ってきたのは 

いままで ママの胸の中にいた空気 

そしてぼくが いま吐いた空気は 

もう パパの胸の中に 入っていく 

 

同じ家に住んでおれば 

いや 同じ国に住んでおれば 

いやいや 同じ地球に住んでおれば 

いつかは 同じ空気が 入れかわるのだ 

ありとあらゆる 生き物の胸の中を 

 

きのう 庭のアリの胸の中にいた空気が 

いま 妹の胸の中に 入っていく 

空気はびっくりぎょうてんしているか? 

なんの 同じ空気が ついこの間は 

南氷洋の クジラの胸の中に いたのだ 

 

五月 

ぼくの心が いま 

すきとおりそうに 清々しいのは 

見わたす青葉たちの 吐く空気が 

ぼくらに入り ぼくらを内側から 

緑にそめあげてくれているのだ 

 

一つの体を めぐる 血の せせらぎのように

胸から 胸へ 

一つの地球をめぐる 空気のせせらぎ! 

それは うたっているのか 

忘れないで 忘れないで・・・と 

すべての生き物が兄弟であることを! 

 

 

パネルには作者名が記されていませんでしたので

調べてみたところ、まど・みちお氏の作でした。

 

童謡、ぞうさんは、誰しも知っていますよね。

やぎさんゆうびん、一年生になったら、ふしぎなポケットなど

大勢のひとに耳馴染みのある童謡の作詞者です。

 

 

wiki から一部抜粋 ↓

まど・みちお(1909(明治42)年 - 2014(平成26)年は、日本の詩人。作詞家。

25歳のときに北原白秋にその才能を認められ、33歳のときには太平洋戦争に召集された。

詩作りは20代から始め、以来生涯にわたって詩を作り続けた。

創作意欲の源は、政治・行政・教育・経済・戦争などに対する不満である

「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」などの、

そのおおらかでユーモラスな作品は童謡としても親しまれている。

表現の前に存在があるという意味で「存在の詩人」とも称された。

 

 

病院内には、こんな花籠が飾られていました。

すべて県産の花だそうです。

コロナの中での医療スタッフのかたたちに感謝を込めて

某所から贈られたとか。

そばにある消毒液が、いまを物語っています。

 

 

 

先日のウクライナ大統領オンライン演説のさいの

卓台のうえには・・・

ウクライナの国旗カラーの折り鶴が置かれていましたね。

絶妙な距離感で、向かい合っている平和の象徴。

 

 

 

 

外。

 

病院の外。

あちこちに春の訪れの兆しが。

 

*風がとてもつよくて、うまく写せていません

濃いピンク色のモクレン

 

乳白色のモクレン

 

 

ソメイヨシノも。

 

 

 

こちらの桜は開花が進んでいますね。

 

 

 

通院といえども

こころの収穫がいっぱいあります。