★★★☆☆

彼が世界中の講演会において受けた質疑応答をまとめたもの。
そのせいか口語体。勢いのある文体(笑)

内容に不満というよりは、内容の熟成度合いに不満だったから★3つ。
熟成具合というのは、彼の具体的な経験と抽象的なポイントの結びつきが弱いように感じたという意味です。
やっぱり製造畑あがりの経営者とコンサルタント出身の経営者(IBMのルイス・ガースナーなど)ではタイプが違う。ぜひ彼らの著書の内容・構成を比較して頂きたいです!


1.リーダーシップ:人からのもらい物を人に分け与えずに、自分ひとりで食べてる人って品がない(私見)


「リーダーになる前は、成功とはあなた自身が成長すること。リーダーになった途端、成功とは他人を成長させることになる。」


リーダーシップ←lead(導く)という言葉から明らか。
けど、人は自分の成長でいっぱいいっぱいになると、他人のこと、特に下への意識が薄れてしまう。

一年間は社内には後輩がいないが、ある意味「同期をlead」する意識を持っていたい。


2.変化:Chance visits the prepared mind.(私の好きな言葉)


<必要な3つのポイント>

(1)変化の一つ一つに明確な目的と目標を持たせること。変化のための変化は無意味だし、体力を消耗するだけ。

(2)変化の必要性を心底感じ、一緒にやっていこうとするだけを採用し、昇進させる。

(3)抵抗するやからを探して放り出そう。たとえ彼らの業績が満足のいくレベルにあったとしても。


3.昇進:やっぱり何事もギャップ


<昇進するためのポイント>

1.あっと言わせるような業績を上げること。期待をはるかに超えるような業績を上げるのだ。そしてあらゆる機会を捉えて、与えられた任務を超えて仕事の範囲を広げていくこと。
自分の成績を改善するだけにとどまらず、所属部門の成績、ひいては会社全体の業績をアップさせるような新しいコンセプト工程を考え出そう。あなたの周囲の人が働きやすくなるように、あなたの上司がもっと賢く見えるように、あなたの仕事を変えてみてはどうか。予想の範囲のことだけをやっていてはいけない。


2.上司の政治的な力に頼ってあなたを後押ししてもらわないこと。



特に、1については、「あなたの上司がもっと賢く見えるように」と「あっといわせる」ここが重要だと思う。

「あなたの上司がもっと賢く見えるように」は本当に大切。

常に上司が「+α」に感じるような付加価値をつけて結果をださないと。
上司だって人間なんだから、上司がprofitを感じないと、上司が!私を評価するわけない。

「あっといわせる」やり方は、
①初期期待値を下げておく②陰の仕込み
が私のやり方(笑)

①に関して「一見(見た目は)、ばかそう」な人は本当に得だと思う。
シュウカツでは苦労するかもしれませんが苦笑

私の場合、中身関係なしに「頭よさそうにみせるのが得意」だから、本当にこれは苦手。

だから、私はon(MTGとか)⇔off(飲み会?)のギャップを大切にしようとしている。
でもこれもまた難しい。
onのときに「あいつがいうんだから」という信頼感を保ちながらの、offでのネジの飛ばし具合。



4.仕事と家庭:いわゆる「ワーク・ワイフバランス」とやら。こういう言葉を抹殺できる「シゴト」を成し遂げて死にたいなぁ。


仕事と家庭のバランスはいわばポイント制みたいなものだ。よい業績をあげる人はポイントを貯める。それは自由度と交換できる。ポイントがたまればたまるほど、いつ、どこで、どうやって働くかの自由度が高まる。


本当にこれはその通り。オフィシャルな制度でフォローアップしきれないところは、もはや本人への上司・部署の配慮にかかってくる。配慮してもらうためには、配慮すべきと考えてもらえるくらいの実績が必要。


制度化しすぎないほうがいい場合もある。裁量的な行動を妨げるなど、制度化を進めることが必ずしもよい結果になるとはとはいえない場合もあるから。
でも制度は「弱者保護」のためにあるとすれば、結果の出せない女性は仕事か家庭のどちらかにしろ、ということになる。
なんかなー。

私を含めて、日本の女性のよくないところは、なんだかんだシゴトをやめても「くっぱぐれない」「養ってもらえる」と思っているフシがある。
男性は逆に「養わないといけない」という気持ちがある。
これがしんどいときに踏ん張る男性とやめてしまう女性の違いにつながっていると思う。





<本文に入る前に>

3月11日に発生した東日本大震災の被害に見舞われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

微力ではございますが、1日も早い復興を願っております。

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下記の記事内容は、このご時勢に不謹慎かもしれませんが、あえて批判を恐れずに書かせて頂きます。

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今回の地震と原発を両親が心配して、これも親孝行だと思い帰省しております。

しかし、親の心配以上に、政府の対応をみて、過剰反応かもしれませんが、ドイツのユダヤ人強制収容所を思い出し、帰省することにしました。

ドイツのユダヤ人記念館等にいったときに思ったのが、
「戦時中ほど情報戦」
ということです。

強制収容所に送られたユダヤ人は、どういう人だったか。
それは、皆が逃げないといけないと思い始めた頃に、逃亡の準備をし始めた人たちです。


ご存知のように、ドイツ在住のユダヤ人でも生き残った人たちはいます。
それは、コトが大きくなる前に、いち早く「亡命」した人たちです。

それではどのような人がいち早く亡命できたのか。
それは、メディアではなく、自分なりの「情報ネットワーク」を持っている人たちです。
政府筋や研究者などなど。


私も、当初は避難するつもりはありませんでした。
しかし、とある大学の「地震研究所」筋の知り合いにアドバイスされて、帰省を決めました。念のためです。
実際に、今となっては、杞憂に終わってよかったと思っています。



そんなこんなで、帰省している私のところに、オーストラリア人の友人がやってくることになりました。

実は、オーストラリア政府は日本政府以上に原発を危惧し、オーストラリア人に帰国あるいは東京から離れるように勧告していたのです。
(実際、海外政府は地震以上に原発に反応していて、大学の制度でインターンをしていたフランス人の知り合いは強制帰国に…)

そこで、私がこの連休に実家に帰るタイミングで、彼をしばらくstayさせてあげることに。


この3日間で思うことは色々ありますが、ひとつ挙げるとすれば、


日本の「おもてなし文化」は本当に日本の優位性になりうるのか?


今日本のhospitalityをビジネスに結び付けようと考えている観光産業の方たちは多いかと思います。
私も不幸にも解雇されてしまったJALのベテランのCAさんたちを「引き受けて」何かビジネスをしたらおもしろそうだと思ったりもしています。


けれども、彼の私の実家での振る舞いをみると、結局「おもてなし文化」というのは、日本人だからというよりは、個人個人の「家庭環境」「教育・しつけ」によるのではないかと感じました。
もちろん、「家庭環境」「教育・しつけ」に日本文化が影響を与える可能性は否定できませんが。
(彼の場合、ご両親のしつけによるところが大きいとは思います。)


日本人の「ハイレベルな」気遣いは、日本人だけのものではない。
海外の観光産業の視点からみれば、日本の優位性も「模倣可能」なのではないか?

例えば彼の場合、stayさせてもらうにあたりお礼のgiftに始まり、食事の皿の片付け、毎朝ベッドメイキングしなおす、御礼のレター、、、そこらへんの日本人以上の気遣い!!

ご経験がある方も多いとは思いますが、ヒルトンなど海外の一流のホテルであっても、何か頼んでも、それに対するレスポンスの遅さには驚きを隠せません。

しかし、今回のstayで、日系のならではのサービスのよさも模倣することも可能では、と思うようになりました。
例えば、海外のホテル業界こそ、自分たちで「企業スクール」をもち、ホスピタリティーにあふれる社員を、まさに子供の頃から育成していく、など。


今まで「外国人」の人とタイトに付き合ったことがなかったので、おもしろい経験でした。
★★★★☆

「本当に経営って大変なんだなぁ」というのが読み終えた印象。筆者の意図はその点、果たされたのかもしれない。
ゲゼルシャフトとゲマインシャフト等、筆者の歴史観・哲学観を踏まえて、大局的に経営を語っているところが、ケースベースに経営を語る他の著書とは一味違う点。
★を一つ引いたのは、筆者の失敗理由として「数字と英語と漢字の頭でっかちの言語」を挙げているにも関わらず、カタカナのコンサル用語を多用していたから苦笑


個人的に気になったキーワード

1.個人・組織・社会のインセンティブの同期化
2.PDCAの回転力
3.40歳以上


1.個人・組織・社会のインセンティブの同期化


「人を動かす」とはまさにこのことだと思った。
確かに、人は心を動かされて行動をとる”突発的な”ことはあっても、それを継続化・制度化するためには、インセンティブを意識することは非常に重要。


経営者としての私のスタンスは、まずは人間を動機づけているものの本質を理解する努力を行う。そしてそこに的確に働きかけ、勇気づける。本人が相互に矛盾するインセンティブの相克に苦しんでいるのなら、それを整理して、あるいは自分自身がその一部を引き受けて、その人を葛藤状態から解放すべくベストを尽くすことである。

そして、自己益・組織益・社会益が根本的なところでシンクロした時、最大限の力を発揮する。


2.PDCAの回転力


PDCAを回すというのは…人間の本性と違うものを要求されているのだ。基本的に人間は弱いもので、見たい現実しか見たくない生き物なのである。
常に自分のおかしいところを見つめ、おかしいところを直していく。直したらまた、おかしいところが気にかかる。自分の姿が見えてくるのが経営の仕事であり、PDCAなのである。


そして経営者は、飲み屋での話題が昔の自慢話になったら、もう引き時なのかもしれない。



3.40歳以上


筆者は、何かにつけて”40歳以上”という「アラフォー崇拝者」だから、私的にはプチキレでした(笑)アラフォーというと言葉が軽いのであまり使いたくはありませんが…


20代には期待してないのか?


もちろん年の功ということがあるように経験の「量」がモノをいう場面もあります。
けど、孫さんも、本田さんも、稲盛さんもみんな20代で起業しています。

「業を起こす」という点においては、少なくとも年齢は関係ない。

筆者は「高学歴者層には雇用保障はいらない」と言っているが、私は高学歴者の中でも1%以下の「トップ層」には、大企業を引っ張るとかではなく、新しい産業を創る、こっちの仕事に回って欲しい。


筆者としてはビジネスマンとして20・30代に多くの失敗をして、40歳以降日本のビジネスを引っ張っていってほしいらしいが、それは「大企業」での話。


でも既存の大企業だけでは、日本というタイタニックは沈没します。

だって、所詮タイタニック内での話だから。

大企業の業績回復で、入ってくる水を排出して沈没を食い止められても、救命ボートを持ってくるように船外へ逃げ場を作らないと、新しい産業を起こさないと「再浮上」はできない。