Audio Vertigo | Born of Frustration

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Artist: Elbow
Album: Audio Vertigo
Year: 2024
Genre: Art Rock, Progressive Rock


イギリスのアートロックバンドElbowの10枚目のアルバム。UKアルバムチャートで1位を記録しています。Elbowはデビュー当時から聴いてるけど毎回良質なアルバムを届けてくれます。前作「Flying Dream 1」はコロナ禍だったので落ち着いた優しいチェンバーポップアルバムで美しい作品でした。3年ぶりの新作「Audio Vertigo」は久々に実験的な要素がありプログレッシブです。ここ最近は既に確立したElbowという型の中でメロディーを組み立てている印象だったけど、今回は新しい試みが多く見られメロディーのバリエーションが広がっています。前作や前々作はドリームポップのように時が止まってる感じがしたけど今回は時がしっかりと動いています。Elbowらしい内省的な雰囲気は守りつつ曲が複雑になったこととロックのダイナミズムを加えたことでプログレに寄せてきています。Her to the EarthのGuy Garveyのボーカルを聴いてたら「Last Fair Deal Gone Down」の頃のKatatoniaが思い浮かびました。これまでElbowにKatatoniaを感じたことはなかったので新しい発見です。前作のレビューではTalk Talkを引き合いに出したけど、「Audio Vertigo」にTalk Talkっぽさは感じられません。もっとバンドサウンドがしっかりした力強いロックです。Lovers' Leapのようなジャズを取り入れたアップテンポなプログレッシブロックやBaluのようなシンセロックが先行シングルとして公開された時にこのアルバムに大きな期待が持てました。まず10枚目のアルバムで今年50才のおじさんが新しい挑戦をしていること自体が素晴らしいことです。