Filthy Underneath | Born of Frustration

Born of Frustration

ブログの説明を入力します。



Artist: Nadine Shah
Album: Filthy Underneath
Year: 2024
Genre: Art Rock, Art Pop, Gothic Rock, Post-Punk, Indie Rock


イギリスのシンガーソングライターNadine Shahの5枚目のアルバム。今年Depeche ModeやSuedeのライブの前座を務めたNadine Shahの新作は自分的にこれまでで一番とっつきやすいです。過去作だと2015年の「Fast Food」がダークなアルバムだけど今回は更にゴシック要素を強めていて彼女のやろうとしてることが掴めます。2022年のイースターの頃に自殺未遂を起こしその後2か月間リハビリ施設に入所したそうなので、そういった精神状態も反映されています。「Filthy Underneath」は80s前半のSiouxsie and The BansheesのようなゴシックなアートロックをDepeche Mode的なクールなサウンドでまとめていて、シンセを多用したアートポップの要素が多く見られます。ポストパンクからアートポップ、ソフィスティポップまで音楽性の幅が広がりボーカルのバリエーションも豊富です。Food for FuelやYou Drive, I Shootは「Juju」の頃のSiouxsie and The Bansheesのようなゴシックロックだけど、Topless Motherは「シナトラ、バイアグラ、イグアナ」と単語を並べるサイケデリックなサビが印象的だし、HyperrealismはSwing Out Sisterを暗く落ち着かせたようなソフィスティポップの雰囲気があります。品格のあるクラシカルなボーカルは男性シンガーで例えるとScott Walkerのような陰影とエレガントな魅力があります。彼女のボーカルスタイルにはこのようなゴシック路線が最も合うことを今回証明していて、Twenty Thingsを初めて聴いた時にこの歌声の虜になりました。Keeping Scoreも同様に素晴らしく、低音と高音の自身の二つの声でハモっていて前半と後半で低音と高音にスポットが移り変わる効果が見られます。プロデュースはこれまでと同じくDepeche Modeなどで知られるBen Hillierが担当し、作曲もNadine ShahとBen Hillierの二人のクレジットです。