The Top | Born of Frustration

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Artist: The Cure
Album: The Top
Year: 1984
Genre: Post-Punk, Neo-Psychedelia, Psychedelic Rock, Gothic Rock, New Wave


イギリスのポストパンクバンドThe Cureの5枚目のアルバム。名盤なのに何故かあまり人気のないアルバムです。82年の「Pornography」はダークなゴシックロックの金字塔で現在も高く評価され、85年の「The Head on the Door」は親しみやすいポップソングの数々で人気があり、その陰に隠れているのが「The Top」です。決して曲の出来が悪いわけではなくただ単に普遍性がないだけなので、自分はむしろ「The Head on the Door」よりもアート作品として魅力を感じます。バンドはダークな「Pornography」を出した後その反動からLet's Go to Bed、The Walk、The Lovecatsというポップで明るいシングルを連発してコンピレーション「Japanese Whispers」にまとめます。その次に出したのが「The Top」で、The Cure史上最もサイケデリックで混沌とした渦を巻いた幻覚のようなアルバムです。この時期Robert SmithはSiouxsie and The Bansheesのメンバーとしても活動していたので彼らの「Hyæna」にも通じるサイケデリックな雰囲気があります。ただ「Hyæna」よりも「The Top」のがエキセントリックで危険な香りがしてダークな魅力があります。シングル曲のThe Caterpillarは明るくキャッチーだけどどこか不気味な雰囲気も醸しているので「The Top」の中にあっても浮いていません。例えば83年のシングルThe Lovecatsや85年のIn Between Daysがこのアルバムに入っていたら絶対に違和感を感じると思います。オープニングのShake Dog Shakeは数々のライブでオープニング曲として演奏されていた名曲です。もちろん捨て曲などなく非常にトータルバランスの取れたアルバムです。媚びてないので掴める人が限られてるのかもしれません。