Paranoïa, Angels, True Love | Born of Frustration

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Artist: Christine and the Queens
Album: Paranoïa, Angels, True Love
Year: 2023
Genre: Art Pop, Trip Hop, Synthpop, Alternative R&B, Progressive Pop, Ambient Pop


フランスのシンガーソングライターChristine and the Queensの4枚目のアルバム。前作「Redcar les adorables étoiles (Prologue)」から8ヶ月ほどでのリリースとなりました。その短いスパンからは信じられないほどダークで壮大な96分の大作です。CDは3枚組の限定版と、シングル曲などキャッチーな曲にフォーカスした1枚のハイライト版と2パターン出ています。カバーアートが異なるのでどちらも購入しました。これは限定版のジャケです。先にハイライト版を買って聴いていたのですがその時点でも前作「Redcar」を遥かに上回る出来で楽曲の深化に驚いていました。「Redcar」は以前のダンスポップ的な開放的な路線とは異なるコールドウェーブに寄せた謎めいたフレンチシンセポップだったけど、「Chris」の頃のようなメロディックな情緒が欠けていて曲のクオリティにも波があった印象で2022年の年間ベストにも入れていません。「Paranoïa, Angels, True Love」は前作で欠けていた情緒やオルタナティブR&Bによるアトモスフィアを取り戻し、それをダークでノクターナルな世界観でまとめ上げています。ハイライト版でシングル曲に親しんだ後に3枚組、3部構成の完全版を聴くとかなりプログレッシブに攻めたアートポップ路線に変化していることが分かります。描くものが内面に向かえば向かうほど暗いトンネルを進むように闇は深くなり、芸術家Héloise Letissierにはその作業が向いていたようです。かねてから彼を高く評価していたMadonnaが3曲でゲスト参加しています。