Half Machine Lip Moves | Born of Frustration

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Artist: Chrome
Album: Half Machine Lip Moves
Year: 1979
Genre: Experimental Rock, Post-Punk, Noise Rock, Industrial, Krautrock, Garage Punk, Space Rock, Sound Collage


アメリカのエクスペリメンタルロックバンドChromeの3枚目のアルバム。先日の私的名盤50枚にも選出した最高傑作で、最初に聴くべきChromeのアルバムです。これを聴いて良いと思えなければChromeは向いてないと言えるでしょう。前作「Alien Soundtracks」と同様にガレージパンク、インダストリアル、スペースロック、クラウトロックをごちゃ混ぜにしたジャンクなノイズロックだけど、そこに曲のキャッチーさをプラスしています。前作までのサイケやプログレの要素を薄めて新しい時代へと向けたゴスっぽさも加えています。ローファイな製作だけど音の強度は増して輪郭がハッキリとしています。自分は10代の頃からChromeを聴いている(2004年にアンソロジーを買った)けど当時は難解な印象を持っていました。ガレージパンクの部分の聴きやすさに惹かれていたけど理解していたとは言い難く、実際はもっとずっと奥の深い音楽です。「Half Machine Lip Moves」のThe Stoogesオマージュのようなガレージ要素は確かにファンを引き付ける大事な要素だけど、そういうキャッチーなところと非キャッチーなところを繋ぎ合わせてコラージュしたのがこのアルバムの魅力です。70年代に発表されたポストパンク系のアルバムの中では最も挑戦的で情報量が多く質の高いアルバムです。カバーアートからしてカリスマ性に溢れていてまさにジャケ買いが成功するパターンです。Chromeはどのジャンルにも属さない異端な存在として「Half Machine Lip Moves」は40年以上経った今でも刺激的なアルバムです。