The Stars We Are | Born of Frustration

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Artist: Marc Almond
Album: The Stars We Are
Year: 1988
Genre: Art Pop, Chamber Pop, Baroque Pop, Synthpop


イギリスのシンガーソングライターMarc Almondの4枚目のアルバム。現在まで20枚以上アルバムを出してるMarc Almondの最高傑作「The Stars We Are」が今年2CD+DVDで再発されました。輸入盤のDVDはPALなので日本の再生機では観れません。国内盤のことは知りません。Marc Almondは最近も味わいのある歌を歌っているけど作曲面でピークは80年代後半から90年代前半です。「The Stars We Are」はそのピラミッドの頂点に当たるアルバムだと思います。前作「Mother Fist」のダークキャバレー&ニューウェーブな雰囲気を払拭し、より普遍的で美しいメロディーと一切の力みのないボーカルが魅力です。Your Kisses Burnでは88年に亡くなる直前のNicoとデュエットしていて、Nicoの生前最後の歌声を聴けるのがこの曲だと思います。ゴスのゴッドマザーであるNicoの真っ黒く塗られた重厚な歌声にはこちらも背筋が伸びます。Somethings Gotten Hold Of My Heartは元々Gene Pitneyが1967年にヒットさせた曲のカバーで、Gene Pitney本人がデュエット参加しています。どうやらGene PitneyからMarc Almondにオファーを申し出たらしいです。話題も集めUKのシングルチャートで1位を記録しています。このアルバムは数曲でAnnie Hoganが作曲に参加していて彼女はMarc and The Mambasのメンバーでした。The Mambasの2枚のアルバムはずっと廃盤状態が続いていて高値なのでそろそろ再発してほしいです。Bitter SweetやTears Run Ringsといったシングル曲の突き抜けたポップ性も全盛期ならではの魅力です。ボーナストラックのKept Boyには1940年代から活躍するドイツの女優Agnes Bernelleがゲスト参加しています。「The Stars We Are」はシャンソンやキャバレーやグラムやゴシックやシンセポップというMarc Almondのルーツの音楽要素を敢えて抑えていて、アートワークのように飾らない一人のミュージシャンとして自然体で勝負をしたアートポップ作品です。