Terrorvision | Born of Frustration

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Artist: Aborted
Album: Terrorvision
Year: 2018
Genre: Brutal Death Metal, Deathgrind, Technical Death Metal


ベルギーのブルータルデスメタルバンドAbortedの10枚目のアルバム。「Retrogore」はレトロなホラー映画のようなSEをいくつも盛り込んだ世界観であまりシリアスではなかったけど、今回はもっと終末的でダークなスケールのアルバムとなっていて若干Cattle Decapitationに近づいてます。Cattle Decapitationのようなクリーンボーカルは無いのだけど曲はメロディックでプログレッシブなので、普通のブルータルデスメタルとはかなり違ったアプローチを取っています。ただ激しくてバイオレントなだけでなく叙情的な旋律を盛り込んだりスリリングで不吉なムードを作り出すのが上手いです。それは前作「Retrogore」からの大きな成長だと思います。Sven de Caluwéのシンガーとしての実力の高さはこれまでにも証明しているけど今回は特にキレッキレのパフォーマンスを見せていてCattle DecapitationのTravis Ryanに肩を並べるほどの圧倒的なボーカルです。凄くテクニカルだけど難解さを感じさせないのはAbortedというバンドの持つ華だと感じます。MVも作られたVespertine Decayはイントロからもう素晴らしくこのアルバムのハイライトです。各曲に盛り込まれたギターソロの質も確実に上がっていてドラマティックな楽曲に効果的に働いています。前作も完成度は高いけど壮大さを増した「Terrorvision」は2003年の「Goremageddon」以来の強力な気合いの入ったパワーを感じるアルバムです。