Artist: Morbid Angel
Album: Blessed Are The Sick
Year: 1991
Genre: Death Metal
アメリカのデスメタルバンドMorbid Angelの2枚目のアルバム。自分はMorbid Angelに関しては「Altars Of Madness」至上主義なので「Blessed Are The Sick」は前作の魅力は失われていると感じます。しかしバンドとしての独自性を強めたのは「Blessed Are The Sick」であり、粗削りな部分が無くなったため純粋に楽曲の構成で勝負している気がします。余裕が出てしまったのが自分的には前作に劣る点なのですが、重厚なギターリフの一つ一つは見事です。クラシック音楽のようなインストトラックを盛り込み前作にはなかった格調高き美学を追及しています。ベルギーの画家ジャン・デルヴィルが描いたSatan's Treasuresをジャケに使用していることからも表れています。楽曲の方は前作にあったスラッシュメタルやグラインドコアの影響を消化し、速いパートを残しながらも全体を見るとだいぶスローになり落ち着いています。曲はTrey Azagthothが書いているのだけどインストのDesolate WaysだけRichard Brunelleが書いていてこの曲だけやたらメロディックです。自分のように「Altars Of Madness」より劣るという意見も多く見られるのですが、「Altars Of Madness」が素晴らしすぎたので水準は高く「Blessed Are The Sick」や「Covenant」も名作であることには違いません。確かに前作よりは弱々しいけど、色彩や叙情や美を追及すればそれは致し方ないことないことなんじゃないかなと思います。