Artist: Yeule
Album: Serotonin II
Year: 2019
Genre: Ambient Pop, Chillwave, Dream Pop, Synthpop, Dark Ambient
シンガポールのシンガーソングライターYeuleのファーストアルバム。5年前にEPでデビューしてEPやシングルのみリリースしてきました。満を持してのフルアルバムデビューとなります。「Serotonin II」は全12曲で5曲のシングル曲を収録しています。音楽性は大雑把に言うと「Visions」の頃のGrimesを病的にしたようなダークかつ物悲しい雰囲気のアンビエントポップです。Chromaticsのようなシンセウェーブ的なドリーミーな感じもあるけどもっと孤立した世界観です。悪夢とも違うのだけど夢の世界に閉じ込められて出ようにも出られないような歯痒さを感じます。Grimesと同じくオリジナリティーに長けた音楽センスを持っていて、常に低い体温ながら良質なメロディーを歌っています。Poison Arrowは特に素晴らしくこの曲を聴いて彼女の世界観に惚れました。例えば昔のCocteau TwinsやSlowdiveやJulee Cruiseといったドリームポップの生みの親から生まれた孤独な天才といった感じの鬱屈したメランコリックなムードがあります。Pocky BoyのMVや、細い腕にタトゥーを入れ込んだヴィジュアルにも表れてる通りどこかホラーや危うさを強く含むのも魅力です。突然消えてしまいそうな雰囲気があります。日本盤も出るそうなので来日も期待できます。