『安倍元首相銃撃事件』の
山上徹也被告の悲しそうな目を見ていたら、
「親に学費を出してもらえないから、学校を辞めなければならない」そんな悩みを抱えていた生徒の悲しそうな目を思い出しました。
私は当時26才、専門学校の教師
その生徒に、こんな話をしました…
「なんで私の親は、授業料払ってくれないの」と思ってるかもしれないけど、
高卒で働いて家にお金を入れてる子とか、
ひとり暮らしで、家賃も光熱費も食費も全部自分のお給料から出してる子だっているのよ。
18才まで育ててもらって
高校まで卒業させてもらって
高校卒業してからも、
親の家に住まわせてもらって
ご飯も食べさせてもらって
そこはちゃんとご両親に感謝して
でもここから先は親に頼らないで、
自分で自分の将来の計画を立てて、
自分の稼いだお金で
自分のやりたいことをやってみたら?
「厳しいこと言っちゃって、かわいそうだったかな~」なあんてちょっと心配になって、彼女の顔を見たら…
楽しそうにニコニコ笑っていたので、安心しました
私「バイトやってる?」
生徒「やってません」
私「高校はバイト禁止だったと思うけど、専門学校はバイトやってもいいんだからね。私も学生時代、ロッテリアでバイトしてたのよ。ファミレスとか、マクドナルドとか、喫茶店とか…なんかバイトやってみる?」
生徒「やってみます。」
私「じゃあ、校長先生に相談してみるけど…バイト、自分で探せる?」
生徒「はい探せます」
その学校の創立者である校長に相談したら
「いいじゃないか~
やらせなさい!やらせなさい!」
と、上機嫌になって…
後日、その生徒を校長室に呼んで
「自分で学費を稼いでまで勉強したいなんて、立派だよ!」
「そんなにうちの学校が好きなのかななんて嬉しくなっちゃったよ~」
「授業料は分割でもいいし、心配しなくて大丈夫だから。勉強のほうが大事なんだから、無理しないように。」
と温かい言葉をかけてくれました
卒業式の集合写真の彼女は…
喫茶店でアルバイトしながら勉強して
自分で稼いだお金で手に入れた『卒業証書』を、大事そうにしっかり抱えていました。
真っ直ぐ前を見ている真剣な目は、
就職も決まって
自立して自信に満ちていました
「親に学費を出してもらえないから、学校を辞めなければならない」そんな悩みを抱えて悲しそうな目をしていた時とは、まるで別人のよう
一方、私は…
お気に入りのクリーム色の付け下げを着て
オレンジ色の帯をしめて
髪の毛もセットして
メイクもバッチリ
めっちゃカッコつけてたのに…
泣きすぎてボロボロ
しかも私… 間違えて『校長の席』に座っちゃってるし
(まだ26才の若造なのに~)
でも、間違えたのは校長なんですけどね~
校長に「あなた、ここに座りなさい」って言われて、私はその席に座っただけなので…
誰かに依存していたんじゃ、カンファタブルにはなれない。誰かの情けやら義理やらをあてにして、もたれかかっていたら、いつでも不安に脅かされることになる。
オレは、いま生きるのがつらいって言ってる人は、やっぱり、どこかに自分の生き方を自分で決められないって背景があると思うんだ。
~『アー・ユー・ハッピー?』~
著者: 矢沢永吉
カンファタブル【comfortable】
居心地がいい、快適な、苦痛のない