国立西洋美術館のコレクションの礎を築いた実業家、
松方幸次郎(1866-1950)に焦点をあて、
「松方コレクション」の形成と散逸、
そして国立西洋美術館が設立されるにいたる過程を
美術作品や歴史的資料計約160点でたどります。
最高の絵を 見せてやりたい
モネを口説いた、男の夢。
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国立西洋美術館開館60周年記念
松方コレクション展
2019年6月11日(火)~ 9月23日(月・祝)
国立西洋美術館(上野公園)
モネ、ルノワール、ゴッホ…
流転の傑作、百年の物語
https://artexhibition.jp/matsukata2019/
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「松方コレクション展」、7月に行ってきました
パリの「オルセー美術館」から、
ゴッホの 《アルルの寝室》 来日しています!
でも私、実はちょっと…見るのが怖かったんです
「精神病院に入院中なのに、
悲しい事件を思い出すような絵を描くなんて
悲しそうな絵だったらどうしよう」って…
ゴッホは、《アルルの寝室》を3枚描きました。
1枚目: 「ファン・ゴッホ美術館」所蔵
1888年10月
ゴーギャンがアルルに到着する前に制作
2枚目: 「シカゴ美術館」所蔵
1889年10月
サン・レミの精神病院入院中に制作
3枚目: 「オルセー美術館」所蔵
1889年10月
サン・レミの精神病院入院中に制作
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1888年10月~12月
フィンセント・ファン・ゴッホ と
ポール・ゴーギャンは、
南フランス・アルルの「黄色い家」で、
2ヶ月間一緒に絵を描いて過ごしました。
1888年10月
ゴッホは、ゴーギャンがアルルに到着する前に、
「黄色い家」の自分の 『寝室』 の絵を描きました。
ゴーギャンの到着を待ちながら制作した作品が
1枚目の《アルルの寝室》
この時のゴッホは、
「もうすぐ、ゴーギャンがアルルに来る~」 って…
すっごく楽しみで、すっごく幸せだったと思います
しかしその後、ゴーギャンとケンカ別れして、
ゴッホは自分の耳を切り落とす「耳切り事件」を起こします…
1889年10月
サン・レミの精神病院に入院中に制作した作品が、
今回来日している 3枚目の《アルルの寝室》
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だいぶ説明が長くなってしまいましたが…
そういう経緯があったので、
「精神病院に入院中に、
悲しい事件を思い出すような絵を描くなんて!」って
心配だったんです
ところが…
「松方コレクション展」に行って、
ゴッホの《アルルの寝室》を見てビックリ
とってもきれいで可愛くて…カンファタブル
カンファタブル【comfortable】
居心地がいい、快適な、苦痛のない
もしかしたら、ゴッホは「気づいた」のかもしれません
「ゴーギャンに依存していた」ってことに…
誰かに依存していたんじゃ、カンファタブルにはなれない。誰かの情けやら義理やらをあてにして、もたれかかっていたら、いつでも不安に脅かされることになる。
オレは、いま生きるのがつらいって言ってる人は、やっぱり、どこかに自分の生き方を自分で決められないって背景があると思うんだ。
~『アー・ユー・ハッピー?』~
著者: 矢沢永吉
ゴッホは
自分の描いた絵が売れなくて
自信が持てなかったけれど、
ゴーギャンが、
ゴッホが描いた 《ひまわり》 をほめてくれた
でも、ゴーギャンはもういない…
“自分の絵をほめてくれる人” がそばにいてくれなくても
自分の絵に自信が持てるように
もっともっと頑張るよ
今回来日している 《アルルの寝室》 を見た時、
ゴッホのそんな気持ちが伝わってきて、
とっても嬉しかったです…