8月30日(金)に行われた第2回講座の概略などをご紹介いたします。

 

第2回講座は「地質図から日本列島を読み取ろう」というテーマで、産業技術総合研究所研究戦略部上級主任研究員高橋雅紀先生が講師として、教えてくださいました。

 

1枚目の写真は、当日使用した教材や冊子たちです。 
教材を見ただけでも、面白いことが始まりそうな予感がしますよね。
 
講座は、スライドを使って、地質図の基本の“き”を学びました。
そのなかで、早速実習がスタートしました。
 
発泡スチロール模型を使って、側面に描かれている地層の境界線をヒントに、発泡スチロール模型の谷と尾根に、地層の境界線の延長である露頭線を描いてみようというものです。
 
挑戦したはいいものの…
うーむ…
失敗しましたね。
青線と赤線の間隔が等しくないところもあれば、二度書きしてしまって線が二重になってしまったりと、無様な感じになってしまいました。
 
続いて、地形図上に地層の露頭線を作図するという実習です。
高橋先生のご指導のもと、地形図上に点を打って露頭線を作図していくわけですが、これもなかなかうまくいきません。
応用編の褶曲したバージョンは…
聞かないでください(笑)
 
等高線を読み取って、等高断裁のような図を作ることは容易に出来ても、地中のなかの様子を考えながらプロットして線を結んでいくのは、なかなか簡単ではありませんね。
 
教材には他にも実習課題がありましたが、時間の都合上割愛となりました。
地理学科に4年在籍していたものの、人文地理学系の講義を多く履修していたこともあり、未体験な実習課題もありました。
 
次に行われたのは、キットを使って日本列島の成り立ちについて学びました。
特に、日本海拡大に伴う東北日本の変化やフィリピン海プレートと太平洋プレートに関する内容です。
 
この地殻変動アナログ模型だと、フィリピン海プレートの回転軸(オイラー極)であるピンを中心に移動させると、伊豆ー小笠原海溝の位置が少しずつずれていきます。
 
ここで、気を付けなければならないことがあります。
伊豆ー小笠原海溝がずれるということは、太平洋プレートの沈み込む位置がずれるということです。
つまり、プレートが裂けて異なる地点で沈み込みが起こってしまうということです。
これは、あってはならないことです。
 
そこで高橋先生が様々な研究の結果導きだしたのが、次の地殻変動アナログ模型です。 
日本海溝と伊豆ー小笠原海溝と関係性や南海トラフとの三重結合点の関係性を重視したものです。
そして陸側のプレートが動かないとされてきたものを、東日本がサハリン北部を中心に動くと仮定した場合、二つの海溝のつながりが保たれ、なおかつ海溝自身が西に進み、東日本の東西圧縮が起こっていることがわかってきます。
 
このことから、新潟から秋田にかけての地震の発生メカニズムも分かってきますし、新潟や秋田で産出量が少ないながらも原油が産出されるのかという理由も把握しやすくなります。
 
正直、目からウロコでした。
 
原油の産出要因は、世界的産油地の地帯構造から理解はしていました。
その要因が新潟や秋田にも言えるという予測は立てることはできます。
しかし、私自身で確固たる背景を掴めずにいましたが、今回の講座を通してしっかり掴むことができました。
 
日本列島地殻変動アナログ模型の他に、高橋先生お手製のアナログ模型を使って東西圧縮の話を深めたり、北海道日高地方の地震と北米プレートにまつわる話、関東平野の特殊性などの内容の濃い話もしてくださいました。
 
講座2日目は、自分自身にとって専門分野の少し外の話がメインだったので、1日目とは違った意味合いで有意義なものでした。
 
地球を学ぶという点では、地理学、地学、地質学の3つは共通してます。
表層のことなのか、内部のことなのかという違いはありますが、地球を知る、地球を学ぶという意味でこの3つの視点は必ず持っておかねばならないと、改めて知らされた講座でした。
 
今回の内容もしっかり咀嚼して吸収して、スクールのレッスンに反映させていきたいと思います。