8月29日(木)、30日(金)に、東京・市ヶ谷にある地学会館で、東京地学協会主催の講座に参加してきました。
第1日目は、「地形図や主題図を楽しもう」というテーマで、元国土地理院地理地殻活動研究センター長、日本地図センター客員研究員の宇根寛先生が講師としてお招きして、地形図や主題図を通して地図の面白さを感じてきました。
地形図や主題図に関しては、地理学科に在籍していた頃からたくさん触れてきましたし、レポートや卒業論文では、様々な地域の主題図を作ってきました。
なので、地形図や主題図の面白さや楽しさはある程度分かっているつもりです。
ですが、自分の知らない地形図や主題図の面白さや楽しさがまだまだあるはずだと思い、今回の講座に参加しました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20190901/18/rattlesnaketeacher/bf/55/j/o1080060714567642808.jpg?caw=800)
今回の講座で使用した、地形図やレジュメなどです。
講座の始めは、地図に関する基本事項の学習です。
この辺りは復習のような内容でしたが、「すでに知っている」という姿勢の学びはそこで思考が停止してしまうので、一つ一つの事柄を再確認してきちんと吸収していきました。
続いては、実際の地形図を使用しての実習です。
使用した地形図は、2万5千分1の地形図「青梅」です。
学生時代から使ってきた地形図は3色刷のものでしたが、数年前から多色刷の地形図が登場してきました。
多色刷の地形図を手に取るのが、正直今回が初めてで、多色刷りになったことで、都市域の建物の様子が分かりやすくなりました。
宇根先生は、等高線が少々読み取りづらくなったという意見があると仰っていましたが、私個人としては、等高線を読み取る際に今までの3色刷と今回の多色刷とで、読みやすさの差異はありませんでした。
もしかしたら場所によってあるのかもしれませんし、私は何も感じないままに多色刷りに慣れていくのかもしれませんし、現状では何とも言えませんね(笑)
「青梅」の地形図を使って、150mの等高線がどのように走っているのかを確認しました。
そして、地形図上の等高線の話から、実際に等高線はどのように描かれているのかという過程を、順に追っていきながら、地図作成のこぼれ話などもしてくださいました。
次に、国土地理院のWebサイトから地理院地図についての使い方やその多様性を学びました。
地理院地図をWebで閲覧できることは知っていましたが、活用のしかたをイマイチ理解していなかったので、今回このような場を通して学ぶことが出来て、本当によかったです。
次からお見せする数枚の画像は、タブレットを使用して、そ国土地理院のWebサイトから地理院地図の様々なデータを利用してスクリーンショットで画像にしたものを載せております。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20190901/18/rattlesnaketeacher/12/61/j/o1080061914567642821.jpg?caw=800)
1枚目は、東京都日野市高幡不動を中心にした地域を、多色刷の地形図を使用して表したものです。
なぜ高幡不動なのかは、私が小さい頃に住んでいたからという単純な理由です(笑)
団地や住宅地などが建てられているところが、人工的に造られた所というのが分かったりしますね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20190901/18/rattlesnaketeacher/2e/d0/j/o1080062114567642852.jpg?caw=800)
3枚目は、1枚目の地形図の上に、1979年から1983年にかけて撮影された空中写真のデータを載せたものです。
宅地造成された所とそうでない所との土地利用の差が分かりますね。
空中写真に関しては、様々な年代で見ることが出来るので、知りたい地域がどのように変化してきたのかを知ることもできます。
画像の下部にある情報は、黒の十字が地球上のどの緯度経度にあるのか、その土地の標高がどの位なのかを知ることが出来るバーです。
ここから、大槌駅近くにある自然災害伝承碑をクリックしたのが、次の5枚目です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20190901/18/rattlesnaketeacher/43/2d/j/o1080061714567642902.jpg?caw=800)
このように、何のために建てられた碑なのかという情報などが盛り込まれています。
これら自然災害伝承碑と土地条件や土地の起伏などの情報を盛り込むと、自分の住んでいる地域がどのような土地なのかをより深く知ることができます。
自然災害伝承碑も今後情報が更新されていくということなので、有用なデータの一つになりますよね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20190901/18/rattlesnaketeacher/db/be/j/o1080062214567642918.jpg?caw=800)
最後7枚目は、地理院地図を3D化したものです。
地域は、箱根山です。
画像では見にくいと思いますが、箱根登山鉄道や国道などがどのようなところを通っているのかなどを、立体的に知ることができます。
地理院地図のサイトでは、紹介してきた以外の利用のしかたがまだまだ沢山あります。
紙の地図であれば、何枚も用意をしなければならないところを、クリックしながら参照できてしまうとても便利なところが、とても魅力的です。
紙の地図も、良いところは沢山ありますよ。
講座の最後は、Webの地理院地図を防災に利用したり、ハザードマップから分かることなどをお話ししてくださいました。
この講座を通して、地理院地図の多用な使い方を改めて知ることが出来たのが、とても大きな収穫です。
スクールのレッスンで、これから地理院地図がより多く使われると思います。
ただ話すよりも、地図で示すことで視覚的に理解することができますからね。
スマホの様々な地図アプリを利用する人が多いと思います。
一方で、地理院地図はアプリになっていませんが、誰でも閲覧しデータを利用できるという点では、一般の地図アプリ以上に能力を発揮してくれることがあると思います。
皆さんも、使ってみてはどうですか?
講座の内容をもう少し盛り込みたいですが、今回の記事では割愛させていただきます。
第2回目の内容は、別の記事でご紹介いたします。