1つ前の記事の続きです。

今回は、多岐にわたる地理学の研究分野をまとめてみました。


「地理学」、その学びのフィールド
地理学には、大きく分けると、人文地理、自然地理、地誌学の3つの分野があります。
人文地理学と自然地理学を系統地理学としてまとめ、系統地理学と地誌学との2分野に分けて考えることもできます。
自然地理学は気象学・地球科学・水文学・地質学・生態学など、人文地理学は歴史学・人類学・民族学・社会学・経済学などと強いつながりがあります。
地誌学は、世界各地を人文地理と自然地理の両方の視点から研究する分野です。
扱っているテーマだけ見ると似ている学問も多いのですが、自然や地域がそこで暮らす人にとってどんな意味をもっているのかを考えるのが地理学の特徴です。


<人文地理>

●人口地理学
人口密度、分布、構成、統計などで地域の特性を知る。

●経済地理学
経済的な発展の形態、経済的特徴などから地域の特性を知る。

●民族地理学
民族の起源、系統、類縁関係などから、地域特性がどう築かれてきたかを探る。

●集落地理学
人はなぜこの土地を選び、集落をつくったのか、土地の特性、道路なども含め、考える。

●言語地理学
世界には1万語以上の言語があるといわれる。言語の成り立ちや分布をもとに世界を見る。

●文化地理学
生活のスタイルや生活空間、文化要素や文化の動きを考えながら、地域の特質を解明する。

●都市地理学
都市の成り立ちを探り、都市機能である交通、住宅、産業などを地理学的に考える。

●工業地理学
鉱工業の発展や立地の特性、天然資源の分布、技術の発達などを地理学的に考察する。


<自然地理>

●地形学
山や川、平野や盆地など地表の形態とその成り立ち、変遷を研究する。

●気象学
風雨や雲、気圧など大気の状態と、そこで起こる現象を研究する。

●陸水学
海水を除いた地球上の水の研究。湖、河川、地下水、温泉などを研究する。

●生物地理学
生物の地理的分布について、地史的、系統学的、生態学的に研究する。

●海洋地理学
海洋の状態と、そこに起こる現象を研究する。

●水文学
陸水が対象だが、陸水学が化学的、生物学的側面が強いのに対し、水量や水流の方向性など物理的要素が濃い。

●水理学
水の経路、水脈を研究する。

●土壌地理学
土壌の生成、性質、地理的分布、利用を研究する。


<地誌学>

●国別地誌
日本地誌、中国地誌、ロシア地誌など国別、地域別に研究する。

●大陸別地誌
アジア、オセアニア、ヨーロッパ、アフリカ、南・北アメリカなど大陸別に研究する。

その他に、地図学、地理学史、歴史地理学、文化地理学、統計地理学、交通地理学、商業地理学、第四紀学などの研究分野もありますし、それぞれの研究分からさらに細かく分かれて研究がされています。

私自身の話をさせていただくと、数ある研究分野から都市地理学を専攻し、さらにそこから歴史的町並みに関する卒業論文を書きました。


今までの記事で、「地理学=地球を学ぶ」と書かせていただきましたが、今回のつの記事を通してその意味を感じ取っていただけると、とても幸いです。

これからも地理に関する記事を書かせていただきますし、スクールのレッスンを通して、地理の楽しさや奥深さを味わってください。



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