「オランダ語学校に無償で通う」

オランダに来た2018年末、私と妻、息子はオランダ語の何一つ判らなかった。

いち、に、さん、し、ご すら言えない程だった。

なぜなら、オランダにいるのは、仕事がメインであること、オランダ人はほとんど英語ができるという話を聞いており、オランダ語を学ぶやる気にならなかったのだ。

 

次第に生活をするにつれ、私たちの考え方は間違っていることに気づいた。

家に届く手紙や書類、お店などは全てオランダ語表記であるし、息子の学校の先生たちも基本英語ではなく、オランダ語で話しかけてくるのだ。私はなんとか英語で話してもらうように手掛けたが、英語ができない妻からすれば、苦痛で仕方ない。

 

妻はオランダ語の勉強が必要であると訴え続けながら、YOUTUBEなどで勉強していたが、それには限界ある。

オランダ語学校に通うために情報を調べると、費用も高かった。そこであきらめたりしていたのだ。 

そんな中、妻の世話をしてくれるオランダ人から図書館に行ってオランダ語講座があるので申し込みをしてみたらと言われたのだ。

 

すると、うちの地域から近いHELMONDで移民の人たちを対象にするオランダ語学校が無料で受講できる話を聞いたのだ。

しかし、申し込みしてから空きが出るまで待たないといけない。

妻は一人では厳しいし、場所も家からは遠いので、僕と一緒に車で通うことを提案してきた。内心、仕事があるから時間を作るのが難しい、オランダ語まで勉強する意欲がない。。。。 しかし、妻のためにも、オランダで暮らすなら、やはりオランダ語を一緒に勉強する方が良いと判断した。 

 

なので、2019年、とりあえず、夫婦で書類を書いて申し込みをした。

そこから、なんの連絡のない日が続く。。。すると2020年の5月くらいに一通の手紙が届く。

”新しい学期に空きが出たので、レベルテストを受けに来てください”

Home - ROC Ter AA (roc-teraa.nl)

 

レベルテストはIQテストのようなもので、難民の教育もあるため、アルファベットはわかるのか、一般常識を理解しているかのようなもので、夫婦で1時間くらいテストを終えたら帰っても良いと言われ、9月から始まるので、またメールで案内すると連絡があった。

 

結果的に私たち夫婦は移民の人たちのためのオランダ語教育を毎週2回(月曜、水曜)午前9時から12時15分まで2年間受講できるようになったのだ。しかも全額無償だった。妻の情報力と回りの助けにより、実現できた素晴らしい出来事だったのだ。 

 

 

授業はレベルごとに2つのクラス(レベル1と2)に分けられており、一人の先生が二つのクラスを行き来しながら行う。

我々は最初TAAL TALENT1を学んでその後2と3に進んでいた。生徒はシリアの人や、ポーランド人など、多くの移民の人たちだったが、無償ということもあり、遅刻をしてきたり、欠席したり、途中でやめる生徒も多かった。もったいない。。。

妻は日本のようについていけない生徒のための丁寧な指導法でないことにがっかりしていたが、私はとりあえず、授業を最後まで受けきることを目標にしていたし、そのおかげで簡単な会話くらいはできるようになったのだ。結果的に市民化テストを合格できるレベルまでに至ったので、私たちの税金で行われる授業であるとはいえ、無料で2年間もオランダ学校に行けたことに感謝している。

 

「私たちのオランダ語学校に通えたプロセス」

・地元の図書館などで、移民の人たちのためのオランダ語講座があるか確認

・地域のROC(職業専門学校)で無償講座があるか確認

・夫婦で申し込みし、連絡を待つ

・新学期前(9月)に新たなクラス向けの空が出る

・空があれば、レベルテストの連絡があり、テスト実施

・新学期スタート(週2回:各3時間ずつ)

※途中でやめる人たちもいるので、新しい生徒も入ってきた。

 

他の地域ではどのような仕組みなのかわからないが、私たち住んでいる町Gemertでは無償で授業を受ける学校や、TAAL CAFEなどもあり、それを活用するとオランダ人との交わりやオランダ語力の向上に役に立てるかもしれない。