「私の経験からの知的労働者としての居住/労働許可申請」

 

オランダに3ヵ月以上滞在するためには正式な滞在許可が必要である。

韓国籍である私と日本籍である妻、どちらも有している息子の3人でオランダ移住が決まったのは、在籍していた日本の親会社がオランダに現地法人を立ち上げることになったからだ。そしてそれを全うできる人材は私しかいなかったため、自分から手をあげてチャレンジをすることを決めた。その時、私は日本の永住権を取得したばかりの時期だったが、10年以上にわたる日本の生活を終え、オランダに移住することはある意味、”リスクでもあり、チャンスでもあったのだ”。

会社の立上げの話はまた別で行うが、今回は滞在ビザ取得のための流れを説明させていただく。

 

                                                      ※ネット検索によるデザイン使用

私は会社の立上げの準備や実行、滞在許可などまで、全て自分で行う必要があったため、オランダのある弁護士事務所と業務委託を依頼し、そのための準備を進めていった。調べると、日本、韓国など海外からオランダに駐在で来る多くの方々、特に30歳以上のマネージャー級は知的労働者(High Skilled Migrant)の滞在許可を申請するケースが多い。

このビザを提供、取得するためには、新たに立上げる現地法人が外国人雇用のためのある一定の条件を満たしているスポンサー企業として登録されなければいけないことが分かった。申請までの流れは下記の通りだった。

 

「私の一連のプロセス」※2018年基準

(1)欧州現地法人設立ための国を決める(オランダかドイツかで検討していた)

(2)日本にあるオランダ大使館と法人設立の相談

(3)オランダ大使館からNFIA(Netherlands Foreign Investment Agency)の情報獲得、相談

(4)オランダの法律事務所と業務委託契約(法人登記、滞在許可申請など)

(5)現地オランダ人と業務委託契約をし、現地事務所の選定や立上げのお手伝いの業務委託契約

(6)オランダの事務所物件契約、KVK(商工会議所)に法人登記

---------------------ここからビザ関連---------------------------------

(7)NFIAに設立確認書を送り、スポンサー企業承認を申請

(8)NFIAからIND(オランダ移民局)へNFIAの支援企業である旨の宣言書を送付

(9)INDへスポンサー企業登録のための費用支払い(申請費用:2672EUR)

(10)INDへ赴任者の知的労働者としての居住許可を申請(5年間有効のID申請)

(11)通常は申請後、2~4週間以内に結果通知 (申請費用:938EUR)

   ※他のビザの場合(永住権や家族ビザ延長など)、通常審査に3~6カ月所要

 

現在の情報は下記のリンクをご確認ください。

  Highly skilled migrant | IND

 

私たちは2018年12月7日に大阪からオランダに移住することを決めており、オランダの法律事務所に相談して進めた。

しかしながら、何と、2週間以内に降りるはずのビザがまだだったのだ。法律事務所からはまだ滞在許可が発行されていないのでオランダ入国は遅らせてくれとの連絡があったのだ。 まじで。。。OH MY GOD!! 

しかし、飛行機は既に予約したし、キャンセルもできないため、とりあえず、無ビザで出国せざるを得なかった。

 

幸いにも業務委託した現地人の手を借りて、本移住前にオランダにきて住宅の契約を済ませていたので、ホテルなどで滞在する必要はなかった。場所もAMSTERDAMとかではなく、現地人のお住まいの地域であるオランダ南部のGEMERT市にしたのだ。

この地域には約3~4万人が暮らしている町だが、日本人、韓国人ともほぼ見当たらない。 

 

ビザの無いまま、生活をしていくしかなかったが、BSN(住民登録)は滞在許可がないと申請できないため、銀行口座の開設や家の水道、電気などの契約もオランダ人の名義を借りて手続きを進めるしかなった。2週間といった期間はとっくに過ぎて、12月はクリスマスや新年もあり、INDの手続きスピードは更に遅くなっていた。結局、何回も法律事務所へ連絡をし催促した。するとなんとか1月の初旬にHigh Skilled Migrantビザが許可されたのだ。妻と息子は私のビザの家族ビザとして許可され、そこから合法的にオランダ生活が始まったのだ。(しかしながら、IDカードによると滞在許可開始日はビザ申請の2018年12月になっていた)

 

 

 

それから5年後、ビザの更新の3ヵ月前にINDから手紙が届いた。High Skilled Migrantビザとして再申請も可能だったが、

私はよりオランダに馴染んでいくために、オランダ(EU)永住権と呼ばれるビザに切り替えることになる。

 

これからもオランダで生活しながら、経験した生々しい内容を共有していきます。

 

続く。。。