日本に行くためには、まず、何をしなければならないのかと考えてみたが、必要なこととしては

第一、日本に行くためのお金を貯めること

第二、日本語を学ぶこと

第三、兵役(軍隊)を早く済ますこと

に思えてきた。 「韓国人の男子は満19歳になると国から身体検査の手紙が届き、健康に特に問題がなければ、現役としての兵役義務が課せられる。健康に問題がある場合は免除、もしくは第2兵役として別の業務を与えられる。これは韓国と北朝鮮がまだ戦争が終わっていないためでもあり(正式には1953年より、現在も休戦中の状態)、全ての韓国人はこれを避けて通れない関門としてとらえている。(本音は行きたくない)」

 

なので、高校を卒業したあと、私は大学には進学しないことにした。両親は心配していたが、空手の特待生として大学にいったとしてもどうせ、昼間は練習して夜はみんなで飲みにいく毎日のようだったし、それほど、有名な大学でもなかったため、今思えると、正しい決定だったと思う。

 

その代わりに、私は両親のコンビニで深夜のアルバイトをしたし、そう当時は体を使うことでしかお金を稼げないという発想であったため、ガススタンドでアルバイトをした。2004年当時、一日8時間、週5日、働けば、一カ月に70万ウォン(約7万円)をもらった記憶だが、その当時はかなり大金のように感じれた。

※今は韓国の最低賃金は時給1万ウォンを超えているので、おそらく5倍くらいがここ20年間変わった気がする

そして、高校時代は就業経験としてデパートの靴の売り場で職員として働いてたが、一カ月程度でやめた気がする。理由は朝早くからバスで1時間くらい通勤しなくてはいけず、高校生だった私としては寝坊する日々が多かったため、遅刻も多く、結果的にうまく社会生活ができる人ではなかった。

 

今振り返れば、その時に何の挑戦もせず、毎日を過ごしていてたら、ただ単に、朝起きれない不真面目な成人として続いていたかもしれない。自分を変えるために、やはり環境を変える必要があったのだ。

 

お金を貯めながら、次の動きに出た。兵役を終えるために早く志願していくしかなかった。私は2月生まれで、日本と同様で、早生まれなのだ。当時、満19歳になれなかったら軍隊に志願ができない。私はまだ満18歳だった。そこで、方法が一つだけあった。当時は軍隊に行くと自殺したり、いじめられたりという悪い噂も多くて、その不安を軽減するために、友達と同伴で入隊する制度があったのだ。そこで、満19歳の高校の友達を説得して同伴入隊制度を活用し、エントリした。そして身体検査を経て、入隊ができる一番早い時期を確認すると2004年9月だった。迷わず、エントリした。つまり、2004年2月に高校を卒業し、半年後に2年間の兵役のために入隊したのだ。。

 

残りの半年間、アルバイトをしながら、道場で空手練習をする。そして日本語塾にも通いながら、日本語を勉強した。当時の蔚山には日本語塾も中心街にしかなかったため、車で運転していくか、バスでいくかだが、父の車を利用したら良いと想い、運転免許も取得した。

 

これにより、一日の日課といえば、「コンビニの深夜のバイト(日本語自習)→ 午前中に日本語塾で勉強 → 家で寝る(昼間)→ 起きて空手練習、アルバイト → 遊びに行く 」だった。遊びにいくとなっているが、韓国人男子からすれば、入隊する前には友達と思い出作りで飲みにいったりするのが、文化の一つだが、若気の至りといえる。

 

そのように半年が経ち、2004年9月、入隊に時期となった。通常、入隊時は両親と友達が部隊まで見送りにくるのだが、両親はコンビニの仕事があったため、(ほぼ家族で24時間営業)来れなかったが、母は私を行かすときに泣いてた。もしも何かがあるのではないかと心配だっただろう。 そして2年間、730日間の、人生初の軍人になるという経験をすることになった。

一般人から軍人へ

 

こういうわけで、韓国男子の場合、日本とは少し違う時期をたどる。

日本の場合は、18歳で高校卒業 ➡ 18~19歳で大学入学 ➡ 22~23歳で就職 ➡ 30歳前後に結婚

韓国の場合は、18歳で高校卒業 ➡ 18~19歳で大学入学 ➡ 20歳前後で休学/入隊準備(遊ぶ) ➡ 20~21歳で兵役 ➡ 22~23歳で大学復学もしくは違う選択 ➡ 25~27歳で就職 ➡ 30歳後に結婚(結婚資金と安定的な職がないと結婚が厳しい) 

 

後々の話だが、私が日本に留学に行き、日本の大学に入学前、入学した時の空手部の先輩や同期だちは、私より年下がほとんどで、人生の経験も違ってため、生活に対する認識の違いが相当あった。ある意味、甘えているようにも見えてきたが、これは、2年間の軍隊での経験、そして一人で日本で生き残るための環境がその違いを生んだ気がする。

そのストーリーを書くことが、このブログの差別化にもなるような気がする。

 

この私の人生の振り返りの軌跡、現在のオランダ生活を交互に綴りながら、このブログで発信していきたい。

 

続く。。。