「気配りの達人」
「経営の神様」といわれた松下電器(現パナソニック)の創業者、松下幸之助さんは「気配りの達人」でもあったようです。
工場建設予定地の検分のため、神奈川県湘南地区を訪れるときに、幸之助は、その日案内してくれる人たちの分も含めて、5人分のお弁当を新橋のお寿司屋さんに頼んでいました。
無事に視察がすんだのが昼の12時過ぎ。
どうせなら浜辺で食べようということになり、稲村ヶ崎の海岸に行って、ござを敷き、みんなで食べることになりました。
お弁当を配ろうとした秘書に対して、幸之助はこう指示しました。
「きみ、そのうち2個に小さなひもで印をしてるやろ、それが関東味できみとA君の分や。3個は関西味で、B君とC君とわしの分や」
この気くばりに4人の社員が感動したことは言うまでもありません。
また、このような逸話も残っています。
幸之助が移動で飛行機に乗る際、まわりの同乗者にはもちろん、客室乗務員にも気を配っていたそうです。
たとえば、お水を頼むのでも、「今、お忙しいところよろしいでしょうか?」と断って、「お水を一杯、お願いできますか?」と頼んだそうです。
幸之助が座るファーストクラスの乗客の多くは、客室乗務員に対して高圧的であったり、いばる人が多いようです。
なかには客室乗務員を奴隷あつかいするような人もいるといいます。
「高いお金を払ってファーストクラスに乗っているのだから、それ相応のサービスを受けて当然だ!」とでも思っているのかもしれません。
そんな中、幸之助の振る舞いは良い意味で目立ちます。
客室乗務員の間でも話題となり、幸之助に接した客室乗務員はみんな幸之助のファンになり、そして「松下電器の製品を買おう!」となるのだそうです。
活躍し続けられる人は必ず、まわりに対して気配りができる人なのだと思います。