舞台に出る一か月前。

まさかのNHKオンエアバトルに素人が参戦という前代未聞の出来事に、
誰よりも当事者の僕が一番戦慄していた。

例えばコンビで出るにしろピンで出るにしろ、それなりに舞台経験や
企画経験がある人が立つ舞台なのではないか?

それをまさか、ただのお笑い好きの自分が舞台に立つ?
上手くいけばオンエアになってデビューも夢じゃない?

いやいやいや何を馬鹿な事をww

って僕自身が疑って信じなかったんだけど、どうやら出場する事はもう決定らしい。
何でもツイッターや映像で僕を見かけたディレクターが一度あの子に出てもらおう
という話になったらしい。何それマジ頭おかしい。

ひとまず出るからには何かネタを考えなきゃなって事で、
ピンならまずやりやすいフリップあるあるネタから考える事にした。

が、一個もネタでない。挫折。

なら、あべこうじリスペクトでスタンダップコメディーでチョイうざキャラで狙っていくか?
という事で過去のピン芸人ネタを見まくる。

そんな技術も話術も無い!挫折。

気が付けば出番まであと5日。ネタは白紙。ホンットにやばい。

佐久間一行のようなぶっ飛んだ設定にするか?
いやいやあれはさっくんのキャラあってこそのネタだ。
じゃあ歌もの?マジメな歌になっちゃう。クソさむい。
星野卓也みたいな実況漫談?余裕で噛む。無理。

どうする?どうするよ?みたいな感じであっという間に本番当日。

とりあえずスーツに身を包んでNHKに出向くものの、周りの出演者は
Tシャツにジーンズ、はたまたガッツリキラキラな衣装に身を包んで
練り上げてきたであろうネタを廊下で復唱している。

俺、真っ白。
何一つネタ考えてない。

自分の前に出たコンビがクソほど笑いを取っていていよいよ絶望感が如実に伝わってくる。

自分の名前(本名)が呼ばれスタンドマイク一本の舞台上へ。

なんか知らないけどユリオカ超特Qが優しく肩を叩いて送り出してくれた。

「本日はよろしくお願い致します!!!」

パチパチパチ!! NHKのお客さんは優しい。

もう、正直に話した。何も考えてないって。

一か月前にいっきなり素人が出る事になって、
本業は全然違う仕事してるのに無茶ぶりされて、
元々は北海道のクソ田舎に住んでてそこはとんでもねえ修羅の地だって話して、
今も頭の中で皆さんをどうやって笑わせようか考えてるんですってところで夢が終わった。

すごいね。全身でお漏らししたんじゃねえかってレベルで汗でグッチョグチョね。

で、忘れないためにここに書きとめた。

「雄弁に意味ある事話してるように見せて実はこいつ何も考えてねえんじゃねえか」漫談。

あれ?新しくね?