葬儀会場で、今回のプランに骨壺は付いていない。と聞いていたが、火葬場に行くと用意されていた。
でも、とても大きくて、桐の箱に入れなくても用意した大きめのバッグでも、全然入らないサイズ。
担当者さんに、もし伯母の遺骨が少なかったら、持ち帰りやすいふた回り小さい骨壺を買って、そちらに入れたいと伝えた。「90歳過ぎてるし、お骨もそんなに残ってないかもね。」なんて夫と言っていた。
が!
伯母はとてもしっかりした骨をしていた。
そして、とてもきれいに残っていた。
みんなで骨を拾った。
全然、拾いきれない…
分骨しても、ギリギリ入るかどうか・・・
そして、骨壺はあまりにも大きくて、あまりにも重い。
これは…今日、新幹線で帰れるのか?送れるのか?
実は、一番小さな湯飲みほどの壺に分骨してもらおうと思っていた。
そして、わたしの実家へは供物のお菓子の箱に一緒に詰めて送ろうと思っていた。
昨日の夕方まで…
しかし、両手で抱えなければいけないほどの骨壺を渡されてしまったら、わたしが連れて行くしかない。
でも、とりあえず帰りどうするか…
あっ!!!
車で来ていた妹さん夫婦に、今日は連れて帰ってもらえばいいじゃない!!!
「わたしたちは新幹線で帰るのですが…
申し訳ないのですが、遺骨が重くて持ってきたカバンで運んであげられそうにないです。今日は伯母さんを連れて帰って頂けますか?なるべく早く飛行機の予約を取りますので、それまで預かって頂けたら、改めて伯母さんを迎えにいきますので…。」と言うと、快く預かってもらえた。
子どもさんが週末に届けると申し出てくれたけど、辞退した。
よかった…。
慌ただしくて、結局、伯母と少しもゆっくりなんて過ごせなくて、それは妹さん夫婦も一緒だったと思う。
だから、妹さんも自宅でゆっくり伯母に向き合えるだろうし、あんなに毎晩、伯母が帰りたくて、何度もピンポンダッシュしたご実家(妹さん宅)に連れて帰ってもらえたら、きっと伯母も喜ぶ。
これで、よかったのかもしれない。
妹さん夫婦ご一行が、出発前のトイレタイムでわちゃわちゃしている中、担当者さんが「では、わたしはこれで」と去ろうとしたので、離れたところで引き止めた。
「すいません。たくさんのご配慮ありがとうございました。大変助かりました。昨日の今日で、こんなものしか用意できませんでした。どうぞみなさんで召し上がって下さい。」途中で調達したお菓子の詰め合わせを渡した。
心づけは、忘れてた… あぁ…忘れた。
最後に、やっと伯母と妹さん夫婦ご一行を見送り…
タクシーを呼んで、待っている間に、急に強い風が吹いて、結構な雨が降ってきた。
不謹慎だけど、夫と「おー!伯母さん荒れてる~!!」って笑ったりした。
タクシーに乗ったら、自分がクタクタなのに気づいて、最寄り駅ではなく、離れたターミナル駅まで乗せてもらった。
その間、30分以上。
ずっと昨日からの顛末を、聞き上手なタクシーの運転手さんに話した。
この時は、終わったー!!!って思ったけど…
家に着いたら…8時近かった。
たくさんの人のお世話になって、
たくさんの人の優しさを感じて、
本当に感謝でいっぱいな日だったと思った。
それは、とんでもないものをぶん投げられたけど、葬儀費用を出してくれた両親や、親が留守でもちゃんといつものように自分のことをしてくれてた子どもや、仕事を休んで一緒に来てくれた夫や、ただの姪に伯母のことを任せてくれた妹さん夫婦に対しても…。
でも、やっぱり、
人ひとりの最後が
こんなで済まされては
いけないのよ!
って気持ち。
両親に電話をかけた。
そっちのお寺さん…
最短でいつ押さえられる?
そして、本当の葬儀の準備がはじまりました。