伯母が亡くなってバタバタしている中、伯父が入居している特養の相談員さんから電話がきた。

 

入居用品リストにあった「電動ひげ剃り」が入ってなかったとのこと。

 

あ。忘れてた!滝汗

 

電器屋のオンラインサイトはやたら高くて、店頭で探そうとして、すっかり…

 

その電話で、伯母が亡くなったことを相談員さんには伝えたが、伯父には言わないでください。とお願いした。

 

爆速で検索してネットで注文したら翌日届いたので、すぐに持って行くことにしました。

途中で、差し入れのプリンやヨーグルトを買って、伯父がニコニコしながら食べる姿を想像したけど、胸が痛む…

バスに乗り、坂道を上って行った。

 

その日も晴れて温かくて、坂を上ったら汗だくで、遠くの街並みも靄がかかっていたけど、うぐいすの澄みきった鳴き声が聞こえてきた。

 

うららかな春の日だった。

 

特養の入り口で事務員さんに名前を言い、届け物を手渡した。

事務員さんは「会って行かれますか?」と聞いて下さったけど、「今日は予約をしていないので、また、改めて予約して会いに来ます。」と断った。

 

今、伯父に会えないよ。

 

なんで、そんなに泣いてるんだろう?って思うだろう。

 

それに、伯父にどんな顔で会えばいいのか分からない。

 

伯父と伯母を再び会わようと思ってたけど、出来なかった。

 

本当に申し訳ない。

 

坂を下りて、帰りのバスを待つ間、また、うぐいすの鳴き声が聞こえた。

 

何羽もいて、優雅に優しくホーホケキョ、ケキョケキョケキョケケケケ…と輪唱していた。

 

それが、なぜか伯母の声に聞こえて、伯父の近くに来たのかな?と思うと、涙が出てきた。

 

 

 

 

数日後、特養から伯父の写真が送られてきた。

 

優しい笑顔でセラピードッグを撫でていた。

 

わたし…いつもこのワンちゃんたちに、めちゃくちゃ吠えられるけど…笑い泣き

(おかしいよね?セラピードッグなんだからさ。人懐こいはずでしょ?)

 

ちょこんと伯父の膝に頭を乗せて甘えているようだった。

やっぱり、優しい人がわかるんだよね。

そして、伯父は器用に左手で食事をして、ほぼ完食しているそう。

相談員さんから「伯父様、左利きじゃなかったですよね?」ってメモがあって笑った。

 

伯父は伯父で、なんとか元気でやってくれているようです。

新しい環境に慣れようとしているし、今のところ順調なようだから、そのままでいいと思う。

今は、事実を全て知らせなくていいと思う。

 

また、落ち着いたらおやつを持って顔を見に行こうと思います。

それまで、出張コンビニで職員さんと好きなおやつを買って、豪遊していて!