伯父を連れて病院へ来た。
老人ホームからは「CTの予約が入ってる」と聞いていて、予約票を受け取ってもちゃんと見る暇がなかった。
まずは、脳神経外科でCTを…と思ったら、
はい、昨日、すでにCTを撮っていました~!
ですよねー!
普通、頭ぶつけたって救急車で運ばれたら、
CT撮るよねー!
今日は救急で受診した時によくある、「翌日、もう一度みせてください。」と「CTの所見を説明します」ということだったらしい。
患者さんは本当に少なくて、予約時間前に呼ばれた。
昨日、正面から撮ったCT画像がモニターに映されると、すぐに頬骨が丸く500円玉くらいのヒビが入っているのが素人にも分かった。
左頬骨は陥没骨折だった。
「今は、腫れているからわからないけど、腫れが引いたら頬が凹むでしょう。」とのことだった。
そして、「もし頬の凹みを治すのでしたら、形成外科を受診してください。」と…
さらに画像をスライドさせていくと、
目の真下の眼窩も僅かに骨折していた。
幸い、骨折はわずかで眼球とは反対の下側に折れ曲がっているので、血液や折れた骨が眼球に刺さったり圧迫することもなかったけど、副鼻腔いっぱいに血液が溜まっているのが分かった。
そして、一番心配なのが、目頭の上から鼻の付け根に顔面の神経が通っている穴があるのだけど、そこにもヒビが続いている。
もし、神経を巻き込んでいたら、このまま顔を触っても感覚が無いかもしれない。とのことだった。
そっか…だから、あんなにもの凄い内出血と骨折でも、痛くないんだ…。
見た目通りの、大ケガだよ…。
でも、ここでそのまま帰るわけに行かない。
診察してくださったのは、脳神経外科部長だった。
脳梗塞などにも詳しい。
「伯父は最近、たびたび転倒するようになりました、転倒は、以前診断された多発性ラクナ梗塞が原因でしょうか?それとも新たに脳梗塞や脳出血などありますでしょうか?」
すると、もう一度、CT画像を見直して下さった。
ここにラクナ梗塞がありますね。でも、これは運動機能に関係ある場所ではありません。
大きな脳梗塞もありません。
転倒を繰り返しているとおっしゃいましたが、転倒で何度も頭をぶつけると、外側に血種などができるのですが、それもありません。
ただ、少し小脳の萎縮が著しいので、バランスがとりにくいかもしれません。
それに、筋力の低下が加わって低下しやすいのかもしれません。
高齢の方は、少し動かないだけで、筋力が落ちてしまいます。
それが、原因だと思います。
とのことだった。
この診断。
ものすごく納得がいった。
実は、おじが靴のかかとを履かせる時に、伯父の足首が固く動きにくいのが気になった。
去年の暮れに、健康診断に行ったクリニックでタクシーに乗る時、植え込みに倒れ込んだ時も、視野の端っこに割りばしが倒れるように体が一直線のまま倒れていくのが見えた。
膝も腰も真っすぐにしたままジタバタしていて、全く自力で立ち上がれない。
胸に手を差し込んで座らせようとしたのに、まるでマネキンを起すように立ち上がったのだった。
こうして、車椅子に乗っていたら、数日で歩けなくなりそう。
でも、体のバランス取れない以上、ふらつくなら、車椅子になってしまうのかな?
そんなことを考えながら、お礼を言い、診察室を出た。
おでこの傷は、縫っていないので、1週間くらいテープ貼っておいてください。と言われた。
とっても痛々しいが、新しい症状が出なければ、脳神経外科の診察はこれで終わり。
整形外科へつづきます。