伯父の工芸品の調査に立ち会った日、伯母の妹さんがおやつを差し入れしてくださったので、わたしだけ帰りがけに御礼を言うために立ち寄り、玄関先でいつものように立ち話をした。

 

すると、初っ端から「お金が減ってきているから」という話…

 

おばあちゃん「いや、お金がどんどん減ってしまうのよ。お金がかかるから…姉を別の施設に移動したのは、それだけなんだけど。わたしより1週間でいいから早く亡くなってくれたら、わたしがいろいろ(葬儀など?)できるからいいんだけど…私が先に死んじゃったらどうしょうかと思って…」

 

真顔「は、はい…(でも、そう言いつつ気管切開や胃ろうができる施設に移動させましたよね?)」

 

わたしは伯母のために伴侶と一緒の自然な看取りと葬儀、納骨先まで考えていたし、そこまで考えていると伝えたけど…

勝手に連れて行ったくせに、何を今更?

 

それに、やっぱり「面会に行ってもガラス越しだから」と、転居して約1ヶ月、伯母に会いに行っていなかった。

 

この方は、ある意味純粋なので、欲望に一直線だけど、あくまでも「自分は悪くない!」と自己弁護する本能が働くので、本心を隠そうとする時は、ペラペラと言い訳を重ねて、考えていることが漏れてくる。

 

伯母を遠くの老人ホームに移動させた言い訳をしているのだろう…と、うんうんと話を聞き流していた。

 

すると不意に…

 

おばあちゃん「あのままここに居たら、どうなってたかしらね?」

 

 

え?ナニ言ってんの?

 

 

真顔「死んでましたよ。それぞれ立て続けに救急車に運ばてましたよね?もう体力の限界でしたから、あのままならどちらかが亡くなってるのが発見されてたでしょうね。伯母さんなんて2年連続で夏に6㎏づつ体重が減って35㎏になってましたし…去年の夏を越せなかったもしれませんよ?」

 

おばあちゃん「ふーん…」

 

え?なに?ふーん…って?

 

老人ホームに入居させるなんて、余計なことをしてくれたってこと?

 

それは、あなたが管理している伯母名義の預金が減るから、早く亡くなってくれた方が良かったってこと?

 

いやそれ、あなたのお金じゃないですよ?

 

何より、伯母の命を、あなたの欲のためにどうこうする権利はないですからね?

 

面倒も見ていないくせに 真顔

 

 

この間、包括支援センターで言われた「(伯父や伯母のような)そんな状態でも放置するお身内の方は多いです。」って言葉…

 

余程、酷いヤツだ!と思ったけど、

 

 

ここに居た!

 

 

そして、気が付いた。

 

自分より1週間でもいいから早く姉に死んでもらいたい。

 

でも、人工呼吸器や胃ろうしても延命治療できる老人ホームに転居させた。

 

しかも、伯父やわたしから引き離し、誰も知り合いの居ない誰も面会にも行かない場所へ。

 

 

 

それは…

 

自分より早く亡くなってほしいけど、伯父より長生きしてほしいってこと?

 

伯父よりも先に伯母が亡くなってしまうと、伯母名義の土地の半分が伯父に渡るから?

 

ん?

 

胃ろうしたり気管切開してでも、伯父より長生きさせようとしてる?

 

それは、もしかして伯母が危なくなったら、伯父より長生きさせるために、誰も来ない場所でひとりぼっちで管に繋がれて延命治療を受けるってこと?

 

それは、自分たちが伯母の預金と土地が欲しいから?

 

 

 

全身の毛が、逆立った気がした。

 

 

 

ひどすぎない?

 

そこまでする?

 

え?

 

それは人のすることなの?

 

前から、「もしかして…」と思っていたけど、「まさか…」と打ち消していたのだけど、やっぱりこの人たちそういう人なの?

 

意図せず無意識にそうなるように選択したなら、だったら尚更、病気だよね?

 

それか、人ではなくて悪魔だよね?

 

やっぱり、伯母の転居を全力で阻止するんだった。と、次の日はあまりにダメージが大きくて、落ち込んだ。

 

 

 

だから、伯母!!

 

よく食べて、

よく寝て、

絶対に元気で

長生きしてっ!!

 

 

あなたの妹夫婦が亡くなって、その子どもたちが「伯母さんをお願いします。」ってわたしに言ってきて、伯父さんと同じ特養に連れてこれるようになるまで、5年でも10年でも元気で長生きして!!!

 

わたしもがんばって元気でいるから、

伯父さんも元気でいられるようにがんばるから、絶対にまた会おう!

 

会うよ!!

ちゃんと覚えててね!!