今年の春以降、買い物も外出も極力避けてきた。
子供たちをどこにも連れて行ってないし、私も、毎週のように会っていた友人たちに半年以上会っていない。
それは、伯父伯母にコロナから守るためだった。
伯父と伯母が入居した翌日、子供たちは夫と鬼滅の刃の映画を見に行き、私は久しぶりに会う友人たちと午後から遠出をした。
テラス席でもあまり寒くなくて、飲み物や食べ物を口に運ぶ度にマスクをずらすのは面倒だったけど、本当に楽しくてめちゃくちゃ笑ったし、久しぶりの外食もとても美味しかった。
帰りが遅くなってしまって、終電ギリギリの電車に乗っていると…
え?
老人ホームから電話ですって…?
デジャブ?
「夜遅くに申し訳ありません。実は10時頃、旦那さんから『奥さんが戻ってこない』との申し出がありまして、施設の中を探しましたが奥様がどこにも見当たりません。」
「えーっ?伯母?」
「考えにくいのですが、外に出た可能性も考え、警察に届けました。大変申し訳ございません。」
「は…はい?あの…たぶん1時間くらいかかると思うのですが、そちらに向かいます。よろしくお願いします。」
病院で、ちょっとの隙を見て脱走した伯母だから、出入りするのに暗証番号が必要な建物の施設を選んだけど、それでも外に出たのか?
外はさっき雨が降りはじめて、ものすごく寒い。
パジャマしか着てないだろうし、靴も履いてないだろうなぁ…
娘にLINEし、真っすぐ施設に行くと伝えた。
最寄り駅に着くころ、老人ホームから電話が来た。
「奥さん見つかりました。お騒がせして申し訳ありません。」
「ホントですか!?よかった!!」
「他の方のベッドに一緒に入って、お休みになられていました。」
「え?はい?(他の人の部屋とか探してなかったの?)」
「声を掛けると、にこやかにお部屋に戻られて、今はご自分のお布団でお休みです。施設外には出ていませんでした。大変お騒がせいたしました。また、明日改めてご連絡いたします。」
「そうですか、大変ご迷惑をおかけいたしました。申し訳ありませんでした。では、明日ご連絡お待ちしております。」
伯母。
居た。
よかった。
ふたりとも、同じようなドアが並んでいたら、自分のお部屋が分からなくなることも、たぶん、夜、寝ないことも、私には想定内だった。
ちゃんと施設側に伝えておけばよかった。プロだからって、なんでも予想して対応できるわけじゃない。
でも、過去にお部屋が分からなくなる人、出たと思うんだけどな…。
翌日、老人ホームから電話が来た。
結局、トイレから帰れなくなって、顔見知りになった方のお部屋に入って寝ていたらしい。
なので、お部屋にポータブルトイレを置いて、お部屋から出なくて済む対策をしてもらうことになった。
それでも、部屋から出ちゃうかもしれないから、様子を見ます。
私は、夜の伯父伯母の行動を知らない。
朝、何時に起きるのか、夜、何時までテレビを見ているのか、ちゃんと寝るのか、寝ないで家の中を徘徊しているのか…
入院した時、ふたりとも寝なかったけど… 慣れない環境だからなのか、普段からなのか。
どちらにしても、夜は眠れるような、お薬を出してもらう方が、体力回復できるかな。環境にも慣れるかな。
月曜日に訪問医の診察があるので、相談したいと思います。
怒涛の日々は、今日で終わりそうだけど…
まだ、事務作業や入居して必要なモノ不要なモノが出てくるから、そのフォローは続きます。
それにしても、笑える結末でよかったです。