伯父の入院当日。

 

母とカズちゃん伯母さんは、伯父宅へ行き、

荷物を持って病院へ連れていくため、少し早めに出た。


私は下の子を送り出してから病院へ向かった。
途中、お昼ごはんにパン屋さんへ寄って、

美味しそうなサンドイッチを買っていった。

病院に到着すると、入院手続きは終わって、

部屋に入ったところだった。

早速、入院着に着替えさせてベッドで待機してたら、

伯母の妹さんも来て、話がしたそうだったので、

談話室に居てもらった。

 

私は、担当ナースの入院説明や栄養士、麻酔医が

次々、説明や問診に来るので、伯父と一緒に聞いた。
でも、既往症や日頃の生活について聞かれても、

アレルギーとか飲んでる薬があるかさえ

私にはわからない。
 

伯父は同じことを繰り返す。

「はい、この年まで痛い痒いなく健康でいられました。

病気はありません!」
 

あの…手術が必要だから、入院しているのだけど。ガーン

 

そして、薬剤師さんが来て、飲んでいる薬を確認した。

薬、飲んでるじゃない!

持病あるんじゃない!!

「サプリメントだから飲んでも飲まなくてもいい。」とか

言ってるけど、これ一生やめられない薬ですよ。


そして、入院計画書を確認した時、重大なことに気づいた。

伯父から聞いていた退院日と違う! びっくり

聞いてたのより 1日早い。
談話室で話している、母、カズちゃん伯母さん、義妹さんに
それを伝えた。
 

退院には義妹さんが付き添ってくれるはずだった。
が、伯父が入院している間、ショートステイに預けている伯母が

午前中に帰ってくるから、退院の付き添いを頼めない。

日曜日だから、私が迎えに来ることになった。

そんなことより、母たちは、とても動揺していた。

「今朝、5万円が無かったのよ!

昨日、荷物に入れたのに!!
探したけど、どこにも無かったの!

兄さんもわからないって…」

荷物は全部あるのに、お金だけ無くなったらしい。

兄さん。どうしちゃったんだろう…。

 

どうしちゃったんだろう。じゃなくて、

伯父さんも、ちょっとあやしい。

認知症かも…・

伯父は自分が着ている入院着や上履きをしげしげ見ては
「この服はどうしたの?この靴は誰の?」と何度も聞く。
 

入院着や新しく買ったモノは、全く分からないようだった。
 

モノだけでなく、場所も…。

 

自分の置かれている状況も…。

初めての入院。
初めての手術。
本人はガンだと思っている。(けど、鼠径ヘルニア)
 

なのに手術前日だというのに、出された昼ごはんを

モリモリあっという間に完食する。

美味しそうなサンドイッチを前に、食欲が無く

げっそりしてる、母たちに

「もったいないから、全部いただくの♪」

と旅行に来たようなリラックスぶり。

 

この入院がまるで他人事のような違和感があった。

 


しかし、午後になり、伯父のシャワー浴中に

外来の看護師さんがすっ飛んできた。

「普段、外来で関わってる看護師です。

 すぐに管轄の包括センターへ行って、相談してきてください!
 親族のみなさんがいて人手があるうちに、手分けして行ってください!
 結構すすんだ認知症の疑いがあります。
 主治医は、ガンかもしれない。などと一度も言っていません。」

とパンフレットを持ってきてくれた。

おばあさんたち3人… ガーン!!!ゲッソリゲッソリゲッソリ

もう、なんか怪しいとかそういうレベルじゃないじゃない…


もう、これから行くのでは間に合わないので、翌日、手術中に
母とカズちゃん伯母さんで訪ねることになった。

 

ますます、母たちは小さくしょんぼりになってしまった。