伯父の入院前日。

 

私は仕事に行き、

母たちは午後から伯父宅へ入院用品を届けた。
5時ジャストに仕事から上がって、伯父宅へ行き、

翌日の入院の書類を準備した。

たくさんの同意書類と入院申込書
入院セットレンタル申込書
保険証

医療証
いつも飲んでいる薬

現金5万円
 

5万?
5日の入院と手術だけど1割負担だから5万円で足りるかな?
病院で、いくらくらい用意してください。って言われてますか?

おじいちゃん「いや、弁護士に言えばいくらでも持ってきてくれるんですよ。」


はぁ?

弁護士って何それー!?

いくら聞いても、言葉を濁してしまって、

何の事かよくわからない…

言いたくない様子。


とりあえず、5万円は入院保証金として病院に預けよう。

ということになり、入院の荷物の中に入れておいた。

「ここに入れておくね!」とみんなが見てる前で

ボストンバッグの内ポケットに入れた。

 

入院の準備は完了。

 

そして、母が住む町の広報に載ってる、老人ホームの広告を

伯父に見せた。

 

母:「兄さん。もうすぐ90歳になるし…

  こんな生活していても、いつ体調崩すかわからないから、

  お義姉さんと一緒に北海道に来てくれない?

  ここなら、介護度がない兄さんも一緒に住めるから。

  考えてくれない?洋風ですごく素敵よ!」

 

おじいちゃん:「うーん。

   5年後10年後なら考えるけど、今はそんな雰囲気ではないな。

   ずーっと先なら、そういうことも考えるかもしれないけど。」

 

ガーン:「伯父さん。何歳だと思ってるの?

   まだ動けるうちに行った方がいいよ。

   今回の手術は簡単なものかもしれないけど、

   もし何かの病気になって、動けなくなったら、

   行きたくても行けなくなるよ。」

 

おじいちゃん:「そうなったら、なるようになるっ!!」

 

ガーン:「(なるようになった、成れの果ては

    誰が見ることになると思ってる?)」

 

本当に、自分がどうなってるのか分かってない。

今までこうしてきたから、どうにかなると思ってる。

 

広告を見もしない伯父との問答の繰り返しで、
母とカズちゃん伯母さんが疲れ果ててるので、
最寄駅からタクシーで帰ることにした。

母: 「昨日、兄さんに買ってくれた服。着せてみたら、

   丁度よかったから、もう一揃え買ってきてもらえる?」
 

ニコニコ: 「じゃあ、退院後に着られるような服も、見繕っておくね。」

なんて会話していたら、運転手さんが、

リムジン前: 「娘さん頼りになって羨ましいです。
    うちは男の子ばかりで、何かあった時に、

    こんな風に世話してもらえないですよ。」
 

と言ってきた…

愛想笑いしたけど、これって男も女も関係ないと思う。
そう育てたからできないだけで、運転手さんも自分の親に
そういうしていたら、息子さんたちも自然にできると思うよ。

なんて考えながら…

「年をとっても世話にならないように健康が一番ですよ。
健康でいましょう!」と言っといた。

 

その日は、おばあさん二人も開き直ったように

なんとかごはんを食べて、ゲストルームのジャグジーに入り、

とっとと寝た。

 

翌日以降、嵐のような日になるから、寝ておいて正解です。