自宅の最寄り駅に着いて、おばあさん二人と分かれ、

私は大急ぎで、病院の案内に書いてある入院用品を

調達して回った。

✓ストローのついたコップ
✓かかとのある上履き
✓靴下や下着を3枚づつ
✓体を洗うナイロンタオル
✓洗面器
✓割りばし
✓スプーン

そして、上下ともいつ洗ったかわからない…

襟袖裾は真っ黒で穴が開き、食べこぼしのシミがついた服しか

見当たらないから、トレーナーとベストとスウェットズボンを

1枚づつ見繕って買って…
自宅に帰って、使っていないタオルやバスタオル、

歯ブラシセットと旅行用のシャンプー類をさがして、

入院用品の荷造りをした。

 

先に子どもたちと一緒に、食事をしてもらっていたけど、
母たちは、小さなおこわ弁当さえ食べる元気はなかった。
久しぶりに孫たちに会えたのに、心はここに無い感じ。
私は食べないとやってられないから、ロースかつ弁当を食べた。

我が家に二人分の布団が無く、マンションのゲストルームを
予約したので、ごはんを食べたら早々にそちらへ移動。

すると部屋に入って、ドアを閉めた瞬間…

 

「これは一体、どういうことなのぉー!?ゲッソリ

 

と堰を切ったように、
再起動した母とカズちゃん伯母さんから、悲鳴のような愚痴が溢れ出る。
母達にとって伯父の存在は、都会に住んでる年の離れた立派なお兄ちゃん。

どれだけショックだったろうか…

どうなっちゃってるの?

あの二人は、どうやって生活しているの?

なんでこんなことになってるの?

どうなっちゃってるの?

 

ぐるぐる同じ言葉しか出てこない。


うんうん。と話を聞いて気が付いたら12時過ぎていた。

私は明日も仕事。
今は、まだ分からないことだらけで、何も決められない。
 
とりあえず…

 

ガンではなく 鼠径ヘルニアだった。

これから、先が長そうだな…