最終試験へ | ロンドンで働く会計士のブログ

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昔、DJ & バンドマンだった会計士の日記

6月の試験まで残すところ2週間余りだ。仕事の残業が続き、平日はまとまった勉強時間を確保できないため、深く切り込む勉強は週末の猛チャージで追い上げるしかない。

担当していた各社監査業務も完了段階を迎えており、自分の中の To Do List を次々にティックオフしてゆくのは清々しくもあり、試験休暇も近づいているためテンションは頗る高い。

幸運なことに僕の会社は試験休暇の使い方については自由裁量に任されている。たいていの人はカレッジのコースに充てているが、僕は平日夜間と週末の試験対策コースを選び、試験休暇は自習のために温存してある。つまり仕事で疲れきった身体に(頭に)鞭を打ちながらカレッジに足を運ぶということでもある。

ところが不思議なことに、あれだけ疲れていたつもりなのにいざ講義が始まると、講師が上手いのか、周囲の気迫のせいか、いきなりテンションはフルブーストだ。それもそうだろう。この最終試験まで生き残ってきたこのタフな連中でさえ7割は落とされるのである。疲れきった顔をした者など一人もいない。そういった人は、既にどこかでイグジットしている。皆、新しいことを吸収することに喜びを感じている人たちばかりだ。

新しいことと言えば、仕事上でも新しい業務に携わるときや新しいクライアントを任されたときは、身構える一方で高揚感を感じずにはいられない。確かに失敗することも多く、吸収には随分とエネルギーを要する上に現時点での自分のキャパシティを思い知らされるなど、タフなことが多い。しかし、少し我慢した後の深い理解に到達した瞬間や、新しい着想に結びついたときの快感は、これらを超越して余りある。

試験対策コースがスタートした3月初め、講義が開始前には既に夜の帳が下り始めており、講義が終わり家路につくころには摩天楼の合間から覗く星空が綺麗だった。そしてコース終盤の5月中頃には、講義が終わり10時を回っていても夜空はまだ薄明るく、道行く人々の上着はいつしかコートからジャケットへと変わっていた。

試験が終われば夏がやってくる。

あと少しの辛抱だ。いや、最後のゲームを楽しまなければ。一発でパスすること以外に選択肢は無い。シンプルなことだ。