イラク関連のニュースが必ずトップ。
毎朝、昨日の殺害された人の数を報道から
一日は始まる。
そしてこの数は、年々、毎月、毎週
ただ増してゆくだけで
けっして減少したことなど
ついの一度だってない。
最近BBCでは、このイラク戦争を
ベトナム戦争と比較しはじめました。
つまり泥沼ということです。
しかしベトナム戦争と決定的に違う側面があります。
ゼロ地点からアメリカが興した戦争だということ。
ベトナム戦争や朝鮮戦争は
火種が先にあり(旧政府と革命軍の抗争など)
その片側を支援する形で戦争に導入している。
だから、「負けた」ところで
自己反省や、敗戦の郷愁に浸ってれば
それで済みましたが
今回は、煙も火もないところに
戦争を起こしている。
確かに「民主化」と「テロ撲滅」
という大義名分がありますが
それが大問題となっているのです。
つまり、
今アメリカが撤退してしまったら
親米民主政権はクーデターによって
すぐに転覆されるでしょう。
おびただしい数の血が流れるでしょう。
そして、フセイン政権となんら変わらない
独裁政権が再度誕生するでしょう。
石油の利権を目指したという観点からも
アメリカは途方もない代償を払うだけ払って
何も得なかったことになります。
さらに、テロ組織は
アメリカとの戦争に勝利したとし
さらに勢いを増すことは
火を見るよりも明らか。
これはイラクだけの問題ではなく
テロという最悪の犯罪を
世界中にまき散らすことに繋がるのです。
そういう意味でも
参加した国々は
途中で投げ出すわけにはいきません。
そして何より
一番失われている命は
米軍でも英軍でもなく
イラク市民だということ。
もしこの戦争がなんら建設的なものを
もたらさなかった場合、
失われた彼らの命は
何だったことになるのでしょう。
津波や地震のように
自然災害としてしまうのでしょうか。
いったい何のために戦っているのか。
いったい何が先にあるのか。
それどころか、何のために始めたのかさえ
わからなくなっている。
この戦争はもしかすると
ベトナム戦争などとは比較にならないくらい
泥沼で、悲観的なものかもしれません。
僕は基本的に楽観主義者です。
だけど、この小さな回らない脳を
どう転がしても、ひねっても
この戦争の先に何があるのか
まったく見えません。