ケイトは暗いなか、花壇に咲く花に埋もれている坂道を歩いていました。
 今日は給料日です。給料をお姫様のお母様からもらって、一日お暇をいただいたケイトは素敵な頭に飾るリボンを買いに町まで出かけていたのです。
「るん♪」
大好きなお姫様にもお揃いのリボンを買ってきまして、あげようと思っていました。ケイトは元来ひとがいいので、いくらお姫様にいじめられてもお姫様のことが大好きでした。
 それと、今日はハーブ園で香り高いハーブをこんなにたくさん分けてもらったのです。ですが、ケイトはその籠を片手に歩いていましたが、石っころに暗闇のなか気づかず、それにつまずいて転倒してしまいました。
 ケイトは慌てて散らばったハーブを手探りで集めました。
 ケイトの美しい瞳には涙が浮かんでいました。
(どうしてこううまくいかないことが、わたしは多いのだろう)
そう思ったときです。
「まあケイト、うずくまっちゃっていったいどうしたの」
灯りをもった執事が近づいてきて、お姫様が夜の散歩に庭を歩いているところに出くわしてしまいました。ケイトは急ぎ涙をぬぐいました。
「ちょっと貧血で」
「まあ大変。いま、お医者様を呼んでくるわ」
「いえ、もう大丈夫ですから」
 そうしてケイトはハーブも満足に拾えずにお姫様とともに屋敷に帰りました。
 リボンもどうやってあげたらいいのでしょう。
 ケイトはため息をついて、その日は浅い眠りにつきました。
 手には2つのリボンをもって。


to be continued