病院の外に出てすぐに

 

友達に電話した。

 

 

(お願い、お願い、電話出て‼️)

 

 

「もしもし〜」

 

彼女の声を聞いたとたん、

 

私は声にならない声で言った

 

「しこりがもう一つ見つかっちゃたの…」

 

大粒の涙がぽたぽたとこぼれ落ちた。

 

 

 

ショックだった…

 

乳がんと告知された時の何倍も何倍も

 

ショックだった…

 

 

 

良性かもしれない、でも怖かった

 

 

 

「落ち着いて。大丈夫だから。」

 

 

彼女の周りには、

 

末期の癌と診断されても

 

様々な治療を経て今では元気に生きている人がいる。

 

 

 

だから、

 

彼女の「大丈夫」は心強い。

 

 

でも、

 

それ以上に

 

怖くて怖くて…

 

私は人目をはばからず泣いた。

 

 

 

心を落ち着かせて、

 

それから母に電話した。

 

 

 

「お母さん…

 

もう一つしこりが見つかっちゃたの」

 

 

母は泣いていた。

 

「さとみ、お願いだよ、お願いだよ。

 

帰って来て!一緒に治そう。

 

お願いだよ…お願いだよ…」

 

 

ガンと知ってから、

 

初めて母が泣いた…

 

一緒に泣いた…

 

 

 

今日、初めて

 

人生には1人で乗り越えられないものがあることを知った。

 

 

 

 

 

今日も最後まで読んでくれて、

ありがとう。