サクリファイス (新潮文庫)/近藤 史恵

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大震災以来、なかなか小説に手が伸びません。

熊谷さんの『翼に息吹を』を読んで以来の2冊目が

この『サクリファイス』です。


事実は小説より奇なり。

よく言われることですが、

あの大震災には残念ながらどんな小説も敵わない。

震災に関わった方が100万人いれば

100万のストーリーが生れました。

そしてそれは今も続いている。

だけど、徐々にではあるけれども私のまわりは

『日常的』なものに近づきつつある。

でもそれは決して震災前の『日常』に戻ることではないのだ。

今最も、日常的なアイテムはスポーツではないかと思う。

特に野球の勝ち負けはとても原始的な日常だと思う(笑)


もちろん音楽にも力がある。

ただその力=影響力は強すぎるのかもしれない。


そしてこのサクリファイス。

ロードレースとは言えゴリゴリの勝利至上主義ではない。

アシストという脇役にようやく自分の場所をみつけた主人公。

誰かのために役立つことを生甲斐として燃焼し続ける爽やかさ。


なんといっても読みやすい文章のおかげか、

ロードレースなんて全く知らないのにすんなり入り込める。

個性豊かに描かれたチーム・オッジのメンバー達。

ちょっとした謎解きもあり読了まで興味が続きます。


このタイミングで絶妙の一冊を選んだものです。

偉いぞ、オレ。