レディ・ジョーカー〈上〉/高村 薫

¥1,785
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写真は単行本ですが、文庫化を購入。

文庫版で上、中、下の3巻仕立てでボリュームたっぷりの本書。




ストーリーはグリコ・森永事件をベースに再構築されたフィクションで

舞台は菓子会社から日之出ビールというビール会社に。

主に、犯人サイド、日之出サイド、警察サイド、新聞社サイドの4つの視点から

事件が掘り下げられて行きます。

主人公は警察サイドの合田刑事なんでしょうね。

どのサイドにも大きな人間群像と細やかな人物描写があり読み応えあります。

もちろん事実を基にした全くのフィクション作品ですが、

ノンフィクションの中に、この合田刑事だけがポツンといる印象を受けます。


難解な完全犯罪に立ち向かう警察、新聞社。

山ほど登場する人物の中で、全てお見通しなのが合田刑事。

これほどディテールに拘っているのにその部分だけが簡単に謎が氷解していく。

その意見は組織としては認められないが(これも不思議だが)

最後はたった一人で犯人に向かっていく。

痛快なピカレスクものかと思えばそうでもない。

グリコ・森永は完全犯罪だったのに、主人公の合田さんのヒーロー小説としては、

どこかで犯人と折り合いをつけなくてはならなかったのだろうなぁ。

その辺が残念なところ。

あと、新聞社の群像は必要なのかな?


読了後見た渡哲也出演のDVDはストーリーを随分端折ってありました。

新聞社は全カットだし(笑)

ラストもあっけないけどあれはあれで原作を読まなければ

面白いかも。

ただDVDで残念なのが合田役の徳重!

21世紀の裕次郎だっけか?

半田役の吉川晃司をはじめ脇の役者はいい味出してたし、

ちょっと、勿体無いかも。

もっと頑張らないと。