終末のフール (集英社文庫)/伊坂 幸太郎

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小説といえば熊谷達也さんの本しか読まなくなっていたので

たまに気分を変えて同じ仙台在住の著名作家伊坂幸太郎さんの

「終末のフール」に挑戦しましたよ。


大学時代、SFを読みまくっていた自分にとって、

3年後の滅亡というテーマに強く惹かれたせいもあります。

以前「アヒルと鴨のコインロッカー」のDVDを頂いたものの

全く受け付けず、20分ほど観て放り出したトラウマもありますが

このテーマなら大丈夫でしょ。


ところが…。

ダメでした。

3年後滅亡する地球を受け止めて生きようとする様々な人間模様

それ自体はまずまずなんですが、

その「地球」のパラダイムが全く確立されてないので

ツッコミどころ満載になってしまうんです。

まず、生活の基本となるお金。

もう殆ど誰も働いていないのにも関わらず何故かお金を持っている。

現在でさえ輸入に頼っている食糧は一体どこからくるのか?

登場するスーパーマーケットではどのように仕入れるのか?

誰かがどこかで働いているとしてその姿と意義が

見えてこないもどかしさ。使命感らしいですけど。

数え上げればキリがありません。


熊谷さんならこの辺のディテールにとことん拘ると思います。

虚構に出来るだけリアリティを持たせて、ドラマに集中させるはず。




SFファンとしてはこの平凡な結末も納得いかないのですが

まぁ、ライトノベルとしてはこれで良いのでしょうね。