子供の父親のお父さんが食道癌になった。





私はワンオペ育児をしていた頃、

仕事で抜けられない時の困り事で、

お義父さんにはかなりお世話になった。





お義父さん曰く、

息子ができない事は自分がするからと。

子供の父親はひとりっ子だったし、

たった1人の孫だった事もあり、

義父や義母は、

それはそれは子供(孫)を

可愛いがってくれていた。





当時私は、実家も頼れなかったし、

近くに頼れる知り合いも居なかったので、

子供が急病になった時などは、

仕事に穴をあける事が出来ず、

お義父さんの言葉に甘える事しかできなかった。





そんな事もあり、

子育て中子供には、

じーちゃんには恩があるからと、

伝えてはいた。





私が子供の父親と結婚する前に、

お義父さんは胃癌で胃を3分の2切除していた。

結婚後ほどなくして子供が生まれ、

まだ夫婦仲が良かった時は、

同居して義祖母のお世話をしたり、

私が家事を担っていた。

義祖母(お義父さんの母)と

大の仲良しになった私に

お義父さんも良くしてくれていた。





あれから20年くらい経つが、

まさか今になって別の癌になるとは…。





お義父さんが急に入院した事は、

子供から聞かされた。

「じーちゃんが体調悪くて入院してん!

なんかヤバい感じやねん。

どうしよう…。」

子供は神妙な面持ちで私に告げた。

その時はまだどういう状況かわからず、

「とりあえず直ぐお見舞いに行くわ!」

と言い、子供をなだめる事で精一杯だった。





お見舞いに行った時、

お義父さんはかすれたか細い声で、

水もなかなか飲み込めないと話した。

食事はおろか水さえも摂取困難な状態で、

痩せ細った腕には点滴が繋がれていた。






「あんたが戻ってきてくれたらな…」




お義父さんはそう言うと少し笑った。





(それはできへんわ…。

第一、今私は実母の介護真っ最中。

お義父さんには恩があるけど、

流石に実母を放っておくんは無理や。)





私は胸が締め付けられた。





「何かしてあげたいけど…。

でも、こんな状況では無理や!」

お見舞いから帰る車の中で、

私は子供にそう呟いていた。





「そんなん、当たり前やん!

ママはおばあちゃんの事があるのに…。

じーちゃんの事はパパがしなアカンねん!

息子やねんから!」

子供はいつの間にか大人になっていた。





主治医からの家族への治療方針の説明に

参加した子供から話を聞いた限りでは、

説明中に私用の携帯を「ちょっと失礼」

と、触るようなとんでもないDr.らしいけど、

お義父さんも転院する気は無いらしい。






「ワシはもうアカンのんちゃうか?

と思うねん。」

と、絞り出すような声で言ったお義父さん。


その時は、

「何言うてんの!

まだこの子の結婚式にも出な!(笑)」

(結婚式の予定なんて無いどころか、

相手も未だ居ないんやけどね…。)


「病は気からて言うやん!

そんなん言うてたらアカンよ〜!」

慰めてはみたものの、

私の今の立場では何もできない。






すごくもどかしい…。





食道癌の新薬

テロメライシン



「新薬、治療適用にならへんのかな?

じーちゃんに話してみてくれへん?」

子供には伝えたが、

「あの感じ悪い主治医に話すんの?

それはじーちゃんや

キーパーソンのパパが考えるやろ?

そこまで口出しできへん。

自分もこれ以上関わるんしんどいねん。」





「そっか…。可愛い孫の言う事やったら、

じーちゃんも耳を傾けてくれるかと思ってんけど…。」

(せやな。孫という立場で、

重荷を背負わすのも酷やな。

私から話すんのもお門違いやし…。)

そう、そもそも私は血縁者でも無い他人

なのだから。






すごくもどかしい…。






そんな状況で、

お義母さんに認知症の兆候が。

子供の父親はお義母さんの事を

もの凄く嫌っているので、

子供が代わりに心配する羽目に…。





子供のメンタルが大変なので、

母の介護をしながら

毎日のように子供に連絡を取って、

お義母さんのものわすれ外来を一緒に探したり相談に乗ったり…。





「あんたが負担やったら、

※ちゃーちゃんの事は

パパに任せたらええんやで?」


※ちゃーちゃん=お義母さんの事



そう言うと子供は、

「※アイツには無理!絶対無理やから!」


※育ててもらって無いという理由からか、

父親の事をアイツとよく言います


結局、子供は自分の休みを返上して、

お義母さんを

ものわすれ外来には自分が連れて行くからと。





(負担かけてごめんな。)





(あぁ…どうか、お義父さんが

適切な治療を受けていますように…。

どうか、治療がうまくいきますように…。)


願ってやみません。







最後までお読みいただきありがとうございました。

















 

 

 

 

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