和奏へ
元気にしていますか？
あれから9年が
経とうとしています。
経ってしまえばあっという間。
じぃとばぁにも会えましたか？
どんな女の子に
なっているかな？
きっと 私に似て
『ちゃっかり娘』
なんやろうなって思います。
この日が来ると
必ず思い出すことが
あります。
それは。
和奏が亡くなったことを
兄ちゃんに打ち明けた時。
何も言わず
母さんの顔をみて
ただ まっすぐに涙を流したこと。
人はこんなに
真っすぐな涙を流せるんだと
思ったよ。
和奏がなくなった1年後。
父さんと一緒に
手を合わせた時。
ふと横を見ると
父さんが泣いていたこと。
父さんも
あの時 なくなった和奏を
『抱きますか？』
って訊かれて
辛かったんだろうな。
ずっと 母さんは
『自分だけ辛い』
『誰もわかってくれない』
って思ってたけど。
じぃちゃんも ばぁちゃんも。
みのるんも ちこも
まっくんも。
ひぃじい ひぃばぁも。
それぞれに
和奏とお別れをしたことを
必死に乗り越えようと
していたんやね。
一緒になって
悲しんでくれた人もいた。
気持ちに
寄り添おうとしれくれていたよ。
沢山の愛を運んでくれていたのに、
それに きづけなくてごめんね。
気づくまでに
時間がかかってしまったよ。
最近ね。
思い出したことがあるんよ。
それは 麻酔から覚めて
まっくんが会いにきてくれた時。
たった一言。
『まっくんみたいな兄妹を
兄ちゃん（息子）にも 作ってあげたかった。』
って気持ちを伝えたんよね。
あの時は
まっくんと二人して泣いたなぁ。
母さんは
温かい家族が欲しかった。
笑いが絶えない家族が
欲しかった。
ただ それだけだった。
なのに。
母さんは
『もっと もっと』って
いつの間にか自分に課して、
相手に求めて
生きてきてしまったよ。
不思議な話なんやけど。
和奏の誕生日付近になると、
母さんが大切にするべきことを
教えてくれる様な出来事が
母さんの身に起こるんよ。
いつも教えに
きてくれてるんやなぁ。
『母さん、そっちちゃうで。
落ち着き！』
って。笑。
よく兄ちゃんにも
『母さん、落ち着き！』
って言われてたなぁ。
どっちが親やねん。苦笑。
きっとこうして
兄ちゃんと和奏の育児は
続いていくんやろうね。
私は兄ちゃんと
和奏の親以外したことないから
他の子育てがわからんのやけど。
選んでもらった
母さんは
幸せやなって思ってるよ。
9年前。
父さんや 兄ちゃんと
別々の道を歩くなんてことも、
こうして 心から
『ありがとう』
って思える日がくるなんてことも、
ほんまに想像つかんかったけど。
この日だけは
ちゃんと『家族』やったんやな、
ちゃんと 母できてたんやな、
って 思えるよ。
ありがとうね。
なぁ、和奏。
母さん、もう 大丈夫やで。
確かに
おっちょこちょいで
暴走族で
ほっとかれへんやろけどな。（笑）。
大切なもん、
ちゃんと 大切にしていくから。
安心して
空から見守ってて。
母さんは
とっくに 幸せやったよ。
そして
今は もっと幸せ。
だから 大丈夫。
いつも 見守ってくれて
ありがとうなぁ♡
母さんより。
9年前の今日。
2014年5月1日は
第２子を死産した日でした。
あの日。
人生のどん底に突き落とされた私は
このまま どう生きていけば良いのか？
何故、一緒に
連れていってくれなかったのか？
そればかり考えていました。
9年経ち。
想うことは。
私の人生に
あの出来事がなかったら
今の人生はないということ。
『私の命だけは
助けてください』
そう言ってしまったと
責めた時期もありましたが。
それは
娘の心からの願いだったのかなと
今は思います。
生きていれば
出来事は起きます。
ですが、
全て 愛から生まれた
出来事でした。
そう受け入れれる様になった今。
9年前の自分に伝えたいです。
『よくやってきたね。
生きててくれてありがとう』
これからも
私は
一人の人間として
自分の人生を
全うして行こうと思います。
最後になりましたが。
和奏。
9歳♡お誕生日おめでとう。
父さんと母さんの子供になってくれて
ありがとう。
最後までお読み頂き、
ありがとうございました♡
=完=
2023.05.01 12：00 募集開始。
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元美