朝家を出た後、「あれ?ちゃんと鍵を閉めたっけ?」と気になる時もある。ただ、家に戻ると、遅刻してしまうので止む無く、「いやいや、鍵は閉めたはず。鍵を閉めたと信じよう」「万が一、鍵が開けっ放しで泥棒にはいられたら、それはその時だ。部屋に金目のものがあると言えば、楽器くらいだ。でも楽器は、重いし部屋から運搬するのはかなり大変だから泥棒は盗まないだろう」と、一瞬のうちに恐ろしいほど多くのことを思い、先に足を進ませる。
それでもその少し後は、まだ、鍵を閉め忘れたか?気になったりする。
ところが、ゲンキンなことに、仕事が始まると、すっかり「鍵を閉めたか?」などということは忘れて、その後数時間もの間、そんなこと、すっかり忘れている。
夜家に着いて、しばらく経ってから「あ!そういえば、今日の朝、部屋の鍵を閉め忘れか?心配になっていたのを思い出した。でも、きちんと鍵は閉まっていた」ということを思い出す。
朝あんなに気になっていたことでも、他のことをやっているうちにすっかり忘れて気にならなくなる・・・人間の脳は都合よく出来ていると思う。
と思った一例である。