この話は、私が仕事する上で大変お世話になっている取引先で起こった
事件の話である。
取引先のT通信(株)は、テレビ通信関係の会社で、ここ数年は、アナログ
からデジタルへの移行で業績を伸ばしていた。
しかし、テレビのデジタル化は、受信しやすく、普及が進めば、テレビ受信
の不具合は減り、仕事の減少は予想されていた。
そこでT通信は、テレビ事業以外にも目を向け模索していたのです。
太陽光発電のソーラーパネルの設置、LED照明への交換、空調設備の
施工などなど…。
社長は、経営コンサルタントを入れ、指導を受け、経営塾に通い、勉強し
会社と従業員そして私達、外注業者の為、日々努力をしていた。
そして、テレビ電波がアナログからデジタルに変わり、東京タワーから
スカイツリーへと送信所も変わった後、同業他社は、厳しい経営を
強いられたのです。
しかしT通信は、デジタル放送移行関係の工事で知り合ったマンション
管理会社に、テレビ以外の営業をかけ、少しづつではあるが、テレビ以外
の仕事か増えていました。
私達、外注業者も新しい資格を取ったり、他業種の現場に弟子入り
したりと奮闘していたのです。
そしてT通信は、ひとつの新な目標を掲げました。
【不動産事業への進出】
と言っても、誰も宅建持ってませんから、取引できません。
できるのは、リホームとか修繕とかですかね。テレビは得意ですが、
他はまだまだ修行中でした。
ま、そんな話をおぼろげながら、聞かされ、電気工事士を取ろうと
四苦八苦していた頃の、平成25年3月の終わり頃、その男はやって
来たのです。
とある関西に本部のある不動産会社とフランチャイズ契約したT通信は
西新井に店舗を出すことになり、その責任者としてその男を雇いました。
その日、いつもの様に、T通信の扉を明け挨拶する私の目に入ったのは
見知らぬ男 I でした。
「おはようございます!」
と、爽やかな挨拶。第一印象は、カッコイイ男。
その男 I は、北海道から引っ越してきたそうで、その爽やかな笑顔の
奥で、これから起こす一連の事件のシナリオが、出来上がっていたとは
その時、誰も気が付く者は誰もいなかったのです。
