蜻蛉と蛍
四つの季節を巡るこの大地で俺等は短い一生を精一杯生きていく。生きる以上食物連鎖を、繁殖を、死を、受け入れなければならない。
そんな難しい言葉を理解せずとも、躯が生の躾に従い、動いてしまうんだが。
掟のような当たり前の一生を送るのだと思ってた。
綺麗な光を燈すお前に出会うまでは…
茜色に稲穂が輝く夕暮れ。
涼しい風が稲穂を揺らし俺の薄羽根を撫でていく。
その中に見つけた小さな命。
黒い小さな体。
風景に埋もれてしまう存在。
それでも、なにかが、俺をソイツに
「君は、風流だ。」
引き寄せたんだ。
「俺は君とは同じ風を感じることはできない。」
夏の
「季節を彩る存在は、一瞬の膨張美。モノクロームの季節に置き去りにされた残骸に過ぎない。」
光が
「俺は『蛍』。」
俺を、照らしてくれた。
「初めて生まれて初めて秋を感じた。
お前のお陰だ。」
消えて
「サヨナラ」
いくな
「秋の茜……」
俺を…
「大好きだったよ。」
ずっと
「……蜻蛉………」
照らして…………
