私はカルト宗教にはまらず、夫にはまった。研究の夢を語り、流されない夫に魅かれた。
夫と離れられなかった。
学生時代から7年付き合い、行き着く所まで行くしかないと思い結婚した。
付き合っている時の言葉
夫「Hirokoから別れると言う事はあっても、自分から言うことはない」
夫「Hirokoの事はオレにしかわからない」
恋というトンネルの中で、依存していった。
カサンドラ状態の時、ふらっと入ったブックオフで本に呼ばれた。
P102「強くゆるぎない存在に自分を同一化する事で、
ちっぽけで弱い自分も生きる確かな意味があると感じたい。
そうした願望が、カルト宗教やファシズムなどにすがる人々を生み続けた」
P212「カルトの長が新しいメンバーを得る時も、
暴力団員が若者を闇の世界に引きずり込む場合も、
その力の源泉は、自分の事をわかってくれた、
認めてくれたという思いであることが多い。
自分を認めてくれたものに対して、忠誠心を生み出す。」
付き合っていた時、職場で嫌な先輩がいて愚痴ると、
私の代わりに悪口を言ってくれ、救われた。
攻撃的な事を言われると頭が真っ白になり、言葉が出てこない。
悔しい思いが残る。
しかし夫は「お告げじゃー」と茶化して
「こう言われたら、こう言い返せば」と教えてくれた。
それらを言うことはなかったが、
懐刀として言い返す言葉を持ち、何とか自分を保った。
夫は¨敵¨認知した人には、感情を入れずにこき下ろす。
辛辣に悪意を込めて貶める。
結婚前にはすがり、悔しさをやり過ごし、楽しみもした。
でも今、私を¨敵¨認知し、私をこき下ろし、子ども達に言ってしまう。
子ども達に私の悪口を言うのはダイオキシンの猛毒だから、
子どもに言わないでくれ、誰か大人に言ってくれと言っても、やめてくれない。
私は子どもの頃、母から父の悪口を聞き続け、母を支えた。
だからか、精神的な問題を抱え、心理系の本を読み漁った。
だが、信田さよ子さんの本で親への見方が変わった。
確かに父は横暴だった。パワハラの原型だ。
でも、それを母親が子どもに垂れ流すのはダイオキシンの猛毒である。
母にとってどんなに酷い夫であっても、子どもにとっては父親だ。
母もズルかった。精一杯だったのだろうけど、子どもに言い続けてはならなかった。
話は少し変わるが、カウンセラーに言われてハッとしたことがある。
ケンカした時など、夫婦の問題を子どもが聞いてきた時、
¨お父さんは¨¨お母さんは¨と言うと、子どもとして巻き込まれてしまう。
夫婦の問題は、親子や家族の問題と切り離さなくてはならない。
主語を意識して使った方が良いと。
それ以来、子どもに話す時、¨淳ちゃん¨¨お父さん¨を使い分けるようにした。
P245「暴力を振るわれても離れられない女性は、
囁いてくれた愛の言葉に縋りつき、他にはいないと思ってしまう。
こうした事を心に秘めている限り、支配力は衰えない。
しかし不思議なことに、口にして語り、
自分を縛る気持ちの正体がわかってくると、
支配する力は次第に制御できるものになっていく。」
「依存する気持ちの根底には、愛情やつながりを求める気持ちと、
自分の存在や価値を認めてもらいたいという思いがかかわっている」
「カルト宗教にしろ、パートナーとの依存的関係にしろ、
そこから脱出して自立を成し遂げるには、本来あるべきつながりや、
自己価値を健全な形で取り戻す必要がある」
狭い世界で生きているうちに、他の世界に適応する自信も勇気も失っていた。
夫の仕事の関係で海外に5年住んだが、
会話に自信なく、家にいることが多かった。
重いアレルギーの子を抱え、でも何とか頑張った。
夫の経済制裁、うつ、主婦歴合計15年。
「元気を取り戻す過程で重要なのは、経済的に自立できる自信を持つこと。」