久しぶりの更新。
シベリア出兵の概説書を読んだ。
学校では米騒動とセットで習うくらいで、この戦争(?)についてはさほど印象に残ることはなかった。
本書の「はじめに」で興味深いことが書かれていた。
シベリア抑留を経験した文化人類学者の加藤九祚が、旧ソ連のどの歴史書にもシベリア抑留の記述がないことでロシア人の友人を非難したところ、その友人は自分の父親がシベリア出兵の際に日本人に殺されたことを語り、そうした多くのことが日本の歴史書に書かれているのか、と反論したという。
「シベリア」と聞くと日本では「シベリア抑留」のことが、ロシアでは「シベリア出兵」のことが想起されるのだろう。
歴史書の一面性を痛感せざるを得ない。
本書は、シベリア出兵についてほとんど知識がなくても読み進めることが出来るため、この「忘れられた」戦争について日本人も改めて考えなおしてみるきっかけになりうると思う。
著者は、中立的かつ客観的に論を勧めようと努力されているようで、そうしたところも安心して読める。

