採卵日の朝は早い。


飲食が3時間前からNGだったので

朝5時に一旦起きて水分補給をした。


化粧もしてはいけないため

起きてすぐ行けるくらいだったが


同意書を念入りに確認したり

猫と戯れたりして時間を過ごした。



そしてまだベッドで寝ていた夫に

行ってくるねと告げると

手をむくっと伸ばして握手してくれた。


寝ている人ができる

最大の見送りだ。


怖い顔で頑張れと言われるほうが

緊張するので丁度よかった。






8時に受付すると

同じく採卵と思われる方が結構いた。


「私、初めてなんですけど

やっぱり痛いんですか??!(涙)」

と話しかけたくなる。


採卵の先輩か同期か分からないが

皆、仲間だ。がんばろう。

と心の中でエールを送った。



そして半個室の待合室へ案内され

血圧などを測った。


手術着に着替え

スマホで猫の写真を見て

気を紛らわせながら自分の番を待った。






番号が呼ばれて手術室へ入る。


ドラマで観るような手術室。


大人なので平然を装うが

心臓はバクバクする。



そこからの流れは曖昧だが

消毒器具なのか固定器具なのか

とにかくガチャガチャ出し入れされる。


そのあと子宮内?に麻酔が打たれたが

確かに聞いていた通り

ズキンという痛みよりは

ズーンギューンという重い痛みだった。


局所麻酔のため意識はあり

「これから採卵していきますね〜」

という声がかけられた記憶はある。


看護師さんの手か

手術台の取手か何かを

痛いほど必死で握りしめていた。






重い痛みから意識をそらすために

親戚の名前をフルネームで

思い浮かび続けるという作業をした。


これは人工授精や痛い検査中も

私がよくやる手法だ。


家族の顔と名前を思い浮かべて

パワーをもらう感覚でいる。


いとこや夫方の親戚の子どもまで

フルメンバーをゆっくり二周

列挙し終えたくらいで終わった。



手術室から個室はすぐ5m先くらいなのに

車椅子に乗せてもらえる。


ものすごく大変な手術をした患者のよう。


こんなに手厚く接してもらえるほどの

処置を耐えたのかと自覚する。


個室に戻ると

お水とチョコが置いてあり嬉しかった。






しばらく休憩したあと

迎えに来てくれた夫と採卵結果を聞いた。


9個採卵でき、

たしか5個くらい体外受精できていた。


低AMHで期待しないようにしていた分

結構いいじゃん!と

夫と喜んだ。


体外受精が難しそうなら

顕微授精への切り替えもお願いしていたが

戦いに勝ち抜いていった

精子のパワーに感謝した。






受精5日目に凍結する

胚盤胞を選択していたので

最終的にいくつの卵ができたか

数日後に聞きに行った。



結果、胚盤胞は3つできていた。


10何個も取れる人がいることは知っているが

私たちにとって3つの卵は

大きな大きな希望だった。



胚盤胞移植の妊娠率は高いため

3つあれば妊娠できるだろうと思った。


その頃久しぶりに祖母の家に遊びに行き

もうすぐ良い報告ができるかもと

楽観的に話していた。


採卵周期で頑張った子宮を休ませて

いよいよ移植に向かっていく。