体外受精 移植1回目の判定日。


なんと陽性!!


過去2回は自然妊娠だったから

このときは妊娠までの道のりが長くて

喜びもひとしおだった。


でも、ちゃんと育つのかという

不安のほうが圧倒的に大きくて

ぬか喜びしないように自分の中で

防御線が張られていくのを感じた。






私は妊娠すると初期から

嗅覚に異変を感じることがあった。


いつも通るラーメン屋の匂いがきつかったり

使っている柔軟剤の香りが

我慢できなくなったりする。


それ以外にも妊娠症状かな?と

頭痛、腹痛、眠気、集中力低下…

なんでも妊娠と結びつけるようになる。


期待する気持ちと自制心の

統制を取れないのは仕方がない。



6週で胎嚢が確認できたときは

なんか今回はいける気がする…!と思った。


このあたりで母や妹に会った機会に

伝えると喜んでくれた。






私はフルタイムで働いているが

不妊治療をしている人は

コロナ後も在宅が継続できた。


朝晩の決まった時間に膣剤を入れて

しばらく横なる時間があるので

家にいられるのは有り難かった。


仕事は頭も気も使うもので

日々へとへとだった。


7週に入ったある日、

チャットで理不尽に責められて

すごい傷ついた瞬間があった。


そのときずるんと何かが出た感覚があり

急いでトイレに行った。






大量に出血していた。


終わったと思った。


運良く夫も在宅していた日だったので

半泣きで伝えると

仕事はそっちのけで

クリニックやタクシーの予約をしてくれた。


ソファで泣きながら

なんで私たちは

いつも上手くいかないんだろうと

落ち込んでいた。


タクシーにゆっくり乗り込み

運転手さんもただならぬ雰囲気に

気まずかったに違いない。






クリニックでは

"切迫流産"と告げられた。


流産しているわけではなく

する可能性がある状態を診断するそうだ。


ほとんど妊娠継続できるから

そこまで心配しすぎなくていいと言われたが

数日間は仕事を休んで

自宅安静するよう指示された。




さらにエコーをしてもらった結果、

胎嚢が大きくなっていて

心拍も確認できたことを告げられた。


心拍…初めての心拍!!!


感動した。


赤ちゃんはちゃんと生きているんだ。


私たちが諦めたらだめだ。

とにかく安静にしていようと決めた。


悲しみの底から光が見えた。






1週間経ってクリニックへ行くと

心拍は確認できたが

血腫があると言われた。


出血したらだんだん

小さくなっていくと思いますと言われた。


まだ出血量は減ったり増えたり

安定せず続いていて不安だった。


でも血腫をなくすには

出血するしかないのか?!と思い

自宅安静を解除され、仕事に復帰した。






8週の終わりを迎える頃、

血腫も小さくなり経過順調とのことで

めでたく不妊クリニック卒業となった。


夫から

「心臓が動いているのを見たい」

と言われていたので

診察台からエコー画面を

スマホで動画撮影させてもらった。


産院への紹介状を渡され

元気な赤ちゃん産んでくださいねと

笑顔で担当医に送り出された。


もうしばらく来ることはないと思うと

なんだか寂しい気もしたが

感謝を胸に病院を後にした。


晴れた秋空を見上げて

しみじみと自分たちの努力を噛み締めた。



そのまま市役所に寄って

妊婦マークや検診券をもらおうかと思ったが

今度にしようと思い直した。



帰宅して

夫にエコー動画を見せて

2人で幸せで神秘的な気持ちに浸った。


本当に嬉しかった。



翌日に大変なことになるなんて

そのときは思いもしなかった。