えがお 6 | ギター弾き OZ

えがお 6

*前回の続きです



かなり、長いブログになってますなw

でも、岩手での全てを

このブログに記したいんだよ...

正直、しんどいんだよ

苦しいんだよ

でも、伝えなきゃ意味がないと思う

だから、まだまだ続きますw



俺たちが行ったのは、宮古市の田老地区

その田老地区のほんの一部

正直、それ以上進めなかった...

興味本位や、好奇心だけで

あの場所には立って居られなかった...


今回、田老地区の様子を

携帯カメラで4枚だけ収めました

たったの4枚

俺にはそれが限界だったよ...



そして、迷ったんだけど...

このブログで、その写真は掲載しません

あの場所に立って観た光景は

写真で表す事が出来ない

被災地の様子は、今までテレビやネットで沢山観て来た

でも、その映像では被災地の様子を

本当の被災地を知る事が出来なかったから、直接自分の目で見る事を選んだ

だから、俺が撮った4枚の写真では

本当の被災地を知らせる事が出来ない


この写真は、俺の記録として残します


出来るだけ、鮮明に...

本当の被災地を言葉で伝えたいと思う



津波で壊滅的被害を受けた街


その街を自分の目で観て

自分の足で歩く


その現実が受け入れられない


目の前に広がる、何もない光景

見えるのは、家の玄関の階段と基礎だけが残った家

陸地に打ち上げられた船

誰かが使っていたであろう髭剃り

何処かの子が、大切に抱いていたであろうぬいぐるみ


沢山の雪がその上に積もっていて

被災地を少しだけ優しく包んでいるような気もした



しかし、あの日あの瞬間まで

確かにこの家には、生活があった

この隣の家にも

向かいの家にも

裏の家にも

同じように生活があり

家族居たり

恋人が居たり

沢山の団欒や

沢山の夢

沢山の思い出があったんだ




今は基礎しか残ってないけど

どの間取りがお風呂だとか

トイレだとか

意外とわかる

だからこそ、リアルで

これが本当の被災現場なんだって


目で観たはずが、ダイレクトに心に突き刺さる



田老地区に着いて、雪なのか霙なのか

とにかく強くなって来てた




車を停めた場所から、国道を渡ると

あの防潮堤が目の前にある

本当に見上げる位な高さ

大きな水門の扉からは、大きなトラックが出入りしている


防潮堤には階段があり

その上に上がってみる


防潮堤から観た海岸


奥にはもう一つ防潮堤が見える


そして、その手前には大きな山

瓦礫の山だった

トラックは、その場所に瓦礫を運んで来たのだろう

その更に手前には、やっぱり同じように建物の基礎だけだいくつも見える



その上に、沢山のグシャグシャになった車

消防車が二台

救急車が一台

グシャグシャになって置いてあるのが見える


最前線で避難を呼びかけ続けたんだろう

今は、全く動く気配のない車たち




瓦礫の山では、分別が行われている

それと同時に、行方不明者の捜索もされてるみたい





正直、海は綺麗だった

岩や山

本当に綺麗な海岸だった



その時、viola弾きのあやちゃんがボソッと呟いた


「憎らしい位絶景だよね」


本当にそう思った

本当に絶景だった

きっと、街の自慢でもあり

観光スポットだったんだろう


しかし、その海は襲いかかって来た

そして、全てをさらって行ったんだ


この防潮堤を超えて

歴史も何もかもをさらって行ったんだ


とにかく震えが止まらない

苦しい

本当に苦しい

歩くスピードがドンドン遅くなる


正直、しんどかった...




防潮堤の上から見渡す田老地区


そこに、お供え物の代わりに買って行った缶ビールを置いて

線香の代わりにタバコに火をつけ

ただただ手を合わせた

それが、今の俺に出来る精一杯の事だった



テレビの中継車も来ていた

あの防潮堤の上から何を映したのだろう?

何を伝えたんだろう?

そこに居た人達の思い出や

歴史を映す事が出来たのだろうか?

被災者の方の

心を映す事が出来たのだろうか?




レンズを通して見える被災地

自分の目と言うレンズで観た被災地




どちらも同じ被災地だろうが

見え方は全く違う



全身で観てるような

空気や音

気温や湿度

その全てを身体で感じた



もう歩けない


途中で完全に足が止まってしまう



こんなに心が苦しく

こんなに骨身にしみる寒さはなかった




雪国だからとか、雪が降ってるからとかじゃない




そこに、確かにあったはずの

人の温もりがなくなったからだと思う


供えられている花束も、雪の帽子をかぶってたよ


ただただ、手を合わせた


その時思った


手と手が触れ合うと、こんなにも温かいんだって


これが今の被災地に必要なんじゃないのか?

被災者の方に必要なんじゃないのか?




手の温もりを伝える事が必要なんだって










...続く








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