作物の仮想水は、主に灌漑で使った水である。天水(雨水)は、同じ量を使っても水資源としてはほとんど消費しておらず仮想水に対する影響はほとんどないため、降雨の豊富な地方で生産すれば仮想水は少なくなる。概して、水田で灌漑する米は1kgあたり仮想水が多い。C4植物であるトウモロコシは仮想水が少ない。

畜産物はとりわけ、使用する飼料により仮想水の量が大きく変わる。穀物飼料を用いる場合は、非常に多くなる。牛肉は、ウシの成育期間が長いこと、飼料に穀物を多く使うことから、1kgあたり仮想水が多い。

牛丼1杯に水が風呂桶10杯分の2トンほど必要になると形容される[4][5]。あるいは、安価なジーンズを1本作るのに最大1万1000リットルの水が使われ、1ドル未満のハンバーガーに2400リットル以上の水が必要だというイギリスの非営利団体ウオーターワイズによる試算もある。

工業製品に使う水は、農畜産物に比べれば少量だが、無視できるほどではない